労働HOT NEWS:バローグループユニオン
 
労働HOT NEWSは、「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」の許可を得、「メール マガジン労働情報」内の記事から掲載しております。
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  行政  
     
  「こども未来戦略方針」案を提示、加速化プランの具体化目指す/こども未来戦略会議
   
政府は1日、第5回こども未来戦略会議で「こども未来戦略方針」案を提示した。首相は議論を踏まえ、「今後3年間の集中的な取組である加速化プランの内容を具体化する」とし、予算額は、「全体として3兆円半ばの充実を図る」と述べた。加速化プランには、児童手当の拡充(所得制限の撤廃、支給期間の高校卒業までの延長等)、高等教育費の負担軽減(奨学金制度の充実、授業料後払い制度の創設等)、就労要件を問わず保育所を利用できる「こども誰でも通園制度」の創設、「産後パパ育休」の給付率引き上げ(手取りで8割相当から10割相当)、等が盛り込まれている。

(議事次第・資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai5/gijisidai.html
   
   

  今後の仕事と育児・介護の両立支援の報告書案/厚労省研究会
   

厚生労働省は5月30日、第8回「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」を開催し、報告書案が示された。子が3歳までの両立支援では、現在、努力義務となっている出社・退社時間の調整などに加えて、テレワークを努力義務として位置づけること、3歳以降小学校就学前までについては、各職場の事情に応じて短時間勤務、テレワーク等の措置を2つ以上講じることを事業主に義務づけること、現在3歳になるまで請求できる残業免除(所定外労働の制限)について、小学校就学前まで請求可能とすること、中小企業に対する、制度利用のための代替要員雇用等への助成措置の強化などが示された。
他に、介護離職を防止のための労働者への仕事と介護の両立支援制度の周知の強化や、障害児等を育てる親等に配慮した両立支援などについても案が示された。

(今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書案)
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001102307.pdf

   
   

  次期制度改正に向けた主な検討事項案を提出/厚労省
   

厚生労働省は5月30日、「社会保障審議会年金部会」を開催し、今後の議論の日程、次期制度改正に向けた主な検討事項案と被用者保険の適用拡大についての資料を提出した。検討事項案は、被用者保険の適用拡大(勤労者皆保険)、女性の就労の制約と指摘される制度等(「年収の壁」等)、第3号被保険者制度、高齢期の働き方(在職老齢年金制度等)、基礎年金の拠出期間延長など16項目。被用者保険の適用拡大については、短時間労働者や、非適用業種である個人事務所への適用拡大が提示されている。
2024年末までに年金部会の議論を取りまとめる予定。参考資料として、JILPT調査(5月16日発表)を紹介している。

(次期制度改正に向けた主な検討事項案)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001101665.pdf
(被用者保険の適用拡大)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001101666.pdf
(JILPT調査)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001101667.pdf

   
   

  今後の労働市場の在り方など検討・議論を開始/厚労省研究会
   

厚生労働省は1日、2023年度「第1回雇用政策研究会」を開催した。同研究会では、2020年度及び22年度に、コロナが社会経済活動や雇用・失業情勢に及ぼす影響や課題等について報告書等を取りまとめた。今年度は、労働者の職業選択に資する労働市場の基盤整備、労働生産性向上に資する人的資本投資、ウェルビーイングの向上に向けた多様なキャリア形成・働き方、非正規雇用対策・セーフティネットの強化、人口減少に備えた労働供給量の確保等を議論すべき課題とし、これら課題への取組を通じ労働参加が進むことを前提として労働力需給の推計を行う、としている。

(論点案等)
https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001102034.pdf

   
   

  2022年度「雇用の分野における障害者差別等に関する相談実績」を公表/厚労省
   

厚生労働省は5月31日、都道府県労働局や公共職業安定所における「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績」を公表した。2022年度の障害者差別および合理的配慮の提供に関する相談は225件(対前年度比7.8%減)、うち障害者差別に関する相談は37件(同32.7%減)、合理的配慮の提供に関する相談は188件(同0.5%減)。一方、労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は1件と前年度2件から減少、障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は9件と前年度10件から減少。

   
   

  職場における熱中症による死傷災害の発生状況を公表/厚労省
   

厚生労働省は5月29日、2022年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確報値)を発表した。職場での熱中症による死傷者(死亡および休業4日以上の業務上疾病者)数は827人、うち死亡者数は30人。過去10年間の死傷者数をみると、2013年〜17年は400〜500人台で推移。記録的猛暑となった2018年(1,178人)に最多を記録して以降、変動があるものの減少している。18年以降の発生状況について、業種別では建設業、製造業で多く、年齢別では全体の約5割を50歳以上が占めている。また、あわせて実施中の「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」(5月31日から9月30日まで)について、周知している。

(令和4年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001100761.pdf
(「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001100767.pdf
(同リーフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001100768.pdf

   
   

  縦断調査の改善に向け検討を開始/厚労省ワーキンググループ
   

厚生労働省は1日、第1回「縦断調査の改善に関するワーキンググループ」を開催した。縦断調査とは、同一個人を追跡する調査で、同省が所管する縦断調査には「21世紀出生児縦断調査」「21世紀成年者縦断調査」「中高年者縦断調査」がある。縦断調査の特性を生かし、複数年分のデータを用いて各調査対象者の行動変化を分析してまとめている。ワーキンググループでは、今後の改善や方向性等を検討していく予定。

   
   

  女性版骨太の方針2023、女性役員比率2030年までに30%以上等を提案/政府会議
   

政府は5日、男女共同参画会議を開き、「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」(原案)を示した。女性活躍と経済の好循環に向けた取り組みとして、東証プライム市場上場企業では、2025年目途に1名以上の女性役員の選任、30年までに女性役員比率30%以上などの目標を設ける。女性の所得向上・経済的自立の取組の強化では、女性の正社員比率が30歳代以降低下する「L字カーブ」の解消に向けて、長時間労働の是正や、男性の育休取得の推進等の性別役割分担の解消に向けた取り組みを進めるとしている。

(女性版骨太の方針2023(原案)概要)
https://www.gender.go.jp/kaigi/danjo_kaigi/siryo/pdf/ka70-s-1.pdf

   
   

  ものづくり企業における能力開発の現状やデジタル化への対応状況などを紹介/ものづくり白書
   

政府は2日、「令和4年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を閣議決定した。製造業の就業者数は、2021年は1,045万人、22年は1,044万人と横ばい。若年就業者数は2012年以降、ほぼ横ばい。製造業における自己啓発を行った労働者の割合は、正社員、正社員以外とも、2019年度から21年度にかけて上昇。ものづくり企業におけるデジタル技術について、「活用している」企業は増加傾向。デジタル技術活用企業の、デジタル技術活用に向けた人材確保の取組は、「自社の既存の人材に対してデジタル技術に関連した研修・教育訓練を行う」が最も多い。なお「第1部 第2章」では、JILPTの調査研究成果が活用されている。
(厚生労働省Webサイト)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00125.html
(経済産業省Webサイト)
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230602003/20230602003.html
(ものづくり白書全体版)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2023/pdf/all.pdf
▽白書に引用されたJILPTの調査研究成果
 記者発表「ものづくり産業のデジタル技術活用と人材確保・育成に関する調査」結果(5月26日)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20220526.pdf

   
 
   

  物流に関する2024年問題についての政策パッケージ案/物流の革新に関する閣僚会議
   

政府は2日、第2回「我が国の物流の革新に関する閣僚会議」で、物流革新に向けた政策パッケージ案を提示した。首相は議論を踏まえ、トラックドライバーの時間外労働の上限規制等が2024年4月から適用されることに伴い懸念される「2024年問題」に対応するため、「荷主・物流事業者・消費者の間で長年定着している構造を改革する必要」があるとし、「トラック輸送に関する契約の見直し、荷主企業や物流事業者による自主行動計画の策定と着実な実施を促す」などの取組みとともに、「荷待ち・荷役時間の削減」、「多重下請構造の是正」、「適正な運賃収受や価格転嫁」等に向けた規制的措置について、法制化を含めた枠組みの整備を指示した。

(配布資料)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/dai2/siryou.pdf

   
   

  令和5年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始/厚労省
   

厚生労働省では、令和5年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の応募企業・団体を募集している。同賞は、テレワークの活用により、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を行っている企業や団体を表彰するもの。応募期間は、6月6日(火)〜7月31日(月)。詳細・応募は特設サイトから。

(「輝くテレワーク賞」特設サイト)
https://kagayakutelework.jp/award/

   
   

  6月は「外国人労働者問題啓発月間」/厚労省
   

厚生労働省は毎年6月1日から30日までの1か月間を「外国人労働者問題啓発月間」と定めている。今年の標語は「誰もが活躍できる職場づくりを進めよう〜外国人雇用はルールを守って適正に〜」。外国人労働者の就労状況は、雇用が不安定な場合や、労働・社会保険関係法令が遵守されていない事例などが見られることから、啓発月間では、ルールに則った外国人雇用や外国人労働者の雇用維持・再就職援助などについて、積極的な周知・啓発活動を行うとしている。

(パンフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11655000/001100538.pdf

   
   

  経済財政運営と改革の基本方針(骨子案)について議論/経済財政諮問会議
   

政府は7日、経済財政諮問会議を開催し、経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)に向けて議論した。首相は議論を踏まえ、「30年ぶりの高い水準となる賃上げ」、「(企業の)高い投資意欲など、前向きな動き」が確実に生まれているとしたうえで、「新しい資本主義の実現に向けた取組」を加速させるため、骨太方針では、「三位一体の労働市場改革を通じた構造的賃上げや、これによる分厚い中間層の形成」、「官民連携投資の拡大による、持続的な成長の実現」、「こども・子育て政策の抜本強化」、「戦略的外交・安全保障の展開」、「経済財政一体改革の着実な推進」をはじめとする、経済財政運営と改革の基本方針を今月中旬に決定するとし、原案を基にした取りまとめを指示した。

(経済財政運営と改革の基本方針2023原案)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0607/shiryo_01.pdf
(会議資料)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0607/agenda.html

   
   

  「新しい資本主義」実行計画2023改訂版の案を提示/政府会議
   

政府は6日、「新しい資本主義」の実行計画2023改訂版案を提示した。柱の一つである「人への投資・構造的賃上げ・労働市場改革」では、在職者の学び直し(リ・スキリング)支援を企業経由から個人に重点を置くこと(5年以内を目途に過半が個人経由での給付が可能となるよう拡充)、企業の実態に応じた職務給の導入による構造的賃上げを通じ外国企業との賃金格差の縮小を目指すこと、自己都合の離職の失業給付の要件を緩和すること(リ・スキリングの取組み等の条件を満たせば会社都合と同じ扱いとする)、中小企業の賃上げ実現のため労務費の転嫁の在り方について指針をまとめること、退職所得課税を見直し、厚労省「モデル就業規則」の自己都合と会社都合の退職の取扱い例を改訂すること、「106万円の壁」を超えても手取りの逆転を生じさせない制度見直しに取り組むこと、等が盛り込まれている。
(議事次第等)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai19/gijisidai.html
(実行計画2023改訂版案)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai19/shiryou1.pdf
(総理発言)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/06shihon.html

   
 
   

  空港業務を担う人材の処遇改善と人材育成を提起/国交省
   

国土交通省は1日、「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」と題した中間とりまとめを発表した。空港での航空機誘導や保安検査などの空港業務については、厳しい労働環境等によりコロナ禍以前から人手不足の問題に直面していたが、コロナの影響の長期化により採用抑制や離職者増加を余儀なくされていたと分析。空港業務を担う人材確保に向け、賃上げを含む処遇改善や人材育成、多様な人材の受入れ等に取り組む必要を指摘している。

   
   

  茨城県の家電量販店に対する労働協約の地域拡張適用、6月以降も継続/茨城県
   

茨城県知事は1日、県内全域の大型家電量販店の正社員の年間所定休日を111日以上などとする労働協約の地域的拡張適用を決定した。期間は23年6月から25年5月まで。今回の決定は、厚生労働大臣が2021年9月に決定した労働協約の地域拡張適用と同内容のものの継続で、当初期間は22年4月〜23年5月だった。

(労働協約の地域的拡張適用について茨城県知事が決定した事案)
https://www.pref.ibaraki.jp/shokorodo/rosei/rodo/kettei.html

   
   

  「厚生労働」6月号掲載、特集は「労働者協同組合」の可能性/厚労省
   

厚生労働省の広報誌「厚生労働」6月号が同省ウェブサイトに掲載された。6月号の特集は「世界が注目する新しい働き方『労働者協同組合』の可能性」。トピックスに、副業・兼業のルールと労働時間・健康管理について11社のケーススタディが掲載されている。

   
   

  異次元の少子化対策、「こども未来戦略方針」を策定/政府会議
   

政府は13日、「こども未来戦略方針」を決定した。首相は「2030年代に入るまでが、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」として、今後3年間の集中的な取組である「加速化プラン」に掲げる各種施策の早期実施を目指すと表明。
施策には、(1)児童手当の拡充(所得制限の撤廃、高校生年代までの支給延長)、(2)出産費用の保険適用の導入、(3)高等教育費の負担軽減(授業料後払い制度の創設等)、(4)保護者の就労要件を問わずに利用できる「こども誰でも通園制度」の創設、(5)「産後パパ育休」の給付率引上げ(手取り8割相当から10割相当)等が盛り込まれている。
財源確保については、徹底した歳出改革や既定予算の最大限の活用等により実質的に追加負担を求めず、必要に応じて「こども特例公債」を発行するなどとしている。

(首相官邸)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/13kodomo.html

   
   

  害者雇用促進法改正に伴う政省令・告示案要綱を諮問/厚労省
   

和6年度施行分)を諮問した。主なポイントは、(1)短時間(週所定労働時間10時間〜20時間未満)で働く重度の身体・知的障害者、精神障害者の算定特例(実雇用率上、1人をもって0.5人と算定)、(2)障害者雇用調整金・報奨金の支給方法の見直し(一定数を超える人数分への支給単価引き下げ)、(3)障害者雇用納付金助成金の新設・拡充(加齢により職場への適用が困難となった中高年等障害者の雇用継続への支援、障害者雇用に関する相談援助のための助成金の創設等)など。

(令和6年度施行分の政令・省令・告示の改正について)
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001106015.pdf


   
   

  「女性版骨太の方針」決定、2030年までに女性役員比率30%以上目指す/政府会議
   

政府は13日、「すべての女性が輝く社会づくり本部」及び「男女共同参画推進本部」の合同会議を開催し、「女性版骨太の方針2023」を決定した。重点事項の「女性活躍と経済の好循環に向けた取組」として、東証プライム市場上場企業では2025年目途に1名以上の女性役員の選任、30年までに女性役員比率30%以上などの目標を設ける。「女性の所得向上・経済的自立の取組の強化」では、女性の正社員比率が30歳代以降低下する「L字カーブ」の解消に向けて、長時間労働の是正や、男性の育休取得の推進等の性別役割分担の解消に向けた取り組みを進めるとしている。

(資料)
https://www.gender.go.jp/kaigi/honbu/gijisidai/23-s.html

   

  「特定技能2号」の対象分野、2分野から11分野に拡大/閣議決定
   

政府は9日、熟練した技能を有する外国人向けの在留資格である「特定技能2号」の対象分野を11分野に拡大する方針を閣議決定した。現行の2分野(建設、造船・船用工業)に9分野(ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)を追加する。「特定技能2号」は要件を満たせば家族の帯同が可能。在留期間の上限は無く、3年、1年又は6カ月ごとに更新する。

(閣議決定)
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004960.pdf
(特定技能制度の説明資料)※令和5年5月更新
https://www.moj.go.jp/isa/content/001335263.pdf

   
   

  若年層の離職防止・定着に向けた人材マネジメントを提言/人事院「公務員白書」
   

人事院は9日、令和4年度「公務員白書」を発表した。近年、国家公務員採用試験の申込者は減少し、若年層職員の退職者数が増加しているなど、人材の確保は極めて厳しい状況にあると指摘。白書は「個々の職員の希望や事情に応じたきめ細かな人材マネジメントを行っていくことが今後の行政を担う若年層を公務組織にひきつける上で重要である」とし、この課題への対応に当たり、「人材マネジメントにおいてもデータやデジタルを活用していくことが有効」との見解を示している。

(概要)
https://www.jinji.go.jp/kisya/2306/gaiyou.pdf
(本文)
https://www.jinji.go.jp/hakusho/pdf/index.html

   
   

  2023年度国家公務員採用総合職試験、女性の合格者数割合は33.7%で過去最高/人事院
   

人事院は8日、2023年度「国家公務員採用総合職試験(春)」の合格者を発表した。申込者数は1万4,372人(前年度1万5,530人)、合格者数は2,027人(前年度1,873人)、倍率は7.1倍(前年度8.2倍)。うち、女性の合格者数は683人で、全合格者数に占める割合は33.7%(前年度30.6%)と、3年連続で3割を超え、合格者数・割合とも過去最高。


   
   

  子どもの年齢に応じた両立支援の拡充を提言/厚労省研究会
   

厚生労働省は12日、「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会報告書」をとりまとめた。子の年齢に応じた両立支援が必要であるとし、「子が3歳まで」は現在、努力義務となっている出社・退社時間の調整などに加えて「テレワークを努力義務」とすること、「3歳以降小学校就学前まで」については、「短時間勤務」「テレワーク」等の措置を2つ以上講じ、労働者が選択できる仕組みを作ること、「残業免除(所定外労働の制限)」は現在3歳になるまで請求可能だが、小学校就学前まで延長すること、等が盛込まれている。


   
   

  「人材不足等の課題が一層顕在化、「稼ぐ力」の強化を/令和5年版「観光白書」
   

観光庁は13日、令和5年版「観光白書」を公表した。新型コロナの影響から観光需要が回復に向かう中、観光産業では生産性の低さや人材不足といった積年の構造的課題が一層顕在化していると指摘。観光産業の「稼ぐ力」(収益)の強化が喫緊の課題としている。
観光従事者一人当たり付加価値額は、全産業(806万円)に対し観光産業他(491万円)宿泊業(534万円)は相対的に低い。国際比較でも、一人当たり付加価値額や雇用者報酬は、米国、スペイン等を下回っている。


   
   

  2023年度「安全衛生優良事業場等の厚生労働大臣表彰」受賞者を公表/厚労省
   

厚生労働省は15日、2023年度「安全衛生に係る優良事業場、団体又は功労者に対する厚生労働大臣表彰」の受賞者として、26事業場と個人41名を公表した。本表彰は、災害が起こっていない期間が特に長く、職場のリスクを低減する取組が特に活発に行われているなど、他の模範と認められる優良な事業場・団体や、
安全衛生水準の向上・発展に貢献した功労者をたたえるもの。


   
   

  「骨太の方針2023」決定、三位一体の労働市場改革で構造的賃上げ目指す/政府会議
   

政府は16日、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)および「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」を決定した。骨太方針の副題は「加速する新しい資本主義〜未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現〜」。
「リ・スキリングによる能力向上支援」「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」「成長分野への労働移動の円滑化」という「三位一体の労働市場改革」により客観性、透明性、公平性が確保される雇用システムへの転換を図ることで構造的に賃金が上昇する仕組みを作っていくとしている。
(骨太の方針)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2023/2023_basicpolicies_ja.pdf
(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/ap2023.pdf
(総理発言)
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202306/16keizai_shihon.html
(連合事務局長談話)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1252
(経団連会長コメント)
https://www.keidanren.or.jp/speech/comment/2023/0616.html

   
 
   

  「「昭和モデル」から「令和モデル」の切替えを/男女共同参画白書
   

政府は16日、令和5年版男女共同参画白書を閣議決定した。白書は、近年、若い世代の理想とする生き方・働き方は変わってきており、それを実現できる社会を作ることが、今後の男女共同参画社会の形成促進において重要と指摘。
今こそ、固定的性別役割分担を前提とした長時間労働等の慣行を見直し、「男性は仕事」「女性は家庭」の「昭和モデル」から、全ての人が希望に応じて、家庭でも仕事でも活躍できる社会、「令和モデル」に切り替える時であるとしている。

(本文)
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r05/zentai/pdfban.html

   
   

  「介護従事者の処遇状況調査結果について議論/厚労省分科会
   

厚生労働省は16日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、「介護従事者の処遇状況等の調査」結果(案)について議論した。同調査は、賃上げ効果の継続に資する取組として創設された「介護職員処遇改善支援補助金」及び「介護職員等ベースアップ等支援加算」の影響評価を目的として2022年12月に実施。7,284の介護事業所から回答を得た。
取組効果を見るため、介護職員の基本給等の変化に着目。処遇改善支援補助金を交付された事業所の介護職員(月給・常勤)の基本給等は、交付の前後を比較すると9,210円(4.0%)増加。ベースアップ等支援加算を取得した事業所では、1万60円(4.4%)増加したことなどが分かった。


   
   

  EU諸国のテレワーク規制・改正などを特集/厚労省海外情勢報告
   

厚生労働省は15日、ホームページに「2022年 海外情勢報告」を公表した。欧米・アジア各国の労働施策、社会保障施策の概要と最近の動向を掲載。
ミニ特集として「テレワーク規制の枠組みと近年の改正」(欧州連合)、「コロナの労働市場への影響」(アメリカ)、「コロナ禍以降の非労働力人口の増加と人手不足」(イギリス)、を掲載している。


   
   

  「精神障害の労災認定基準、カスタマーハラスメント等を追加/厚労省検討会
   

厚生労働省の「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」は19日、報告書案をとりまとめた。業務による心理的負荷を原因とする精神障害については、負荷の大きさに関する評価表に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を類型として追加した。職場環境の変貌や心身の健康に対する関心の高まりを踏まえ、2011年策定の認定基準を見直すもの。


   
   

  ジェンダー・ギャップ指数の情報を更新、日本は全体の125位/内閣府
   

内閣府は、21日の世界経済フォーラムの公表を受けて、男女共同参画に関する国際的指数のうち、ジェンダー・ギャップ指数を更新した。日本は、146か国中の125位、教育(高等教育の男女比等)47位、健康(健康寿命の男女比等)59位であるのに対して、経済(管理的職業従事者の男女比等)123位、政治(国会議員、閣僚の男女比等)138位の値が低いとしている。

(Global Gender Gap Report 2023)
https://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2023.pdf

   
   

  経済の基調判断「緩やかに回復している」を維持/6月・月例経済報告
   

政府は22日、6月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、緩やかに回復している」を維持。先行きも「緩やかな回復が続くことが期待される」で変わらず。個別判断では、雇用情勢は、「このところ改善の動きがみられる」に上方修正、国内企業物価は、「横ばい」から「緩やかに下落」へ、企業収益は「改善しているが、そのテンポは緩やか」から「緩やかに改善」へ、修正した。


   
   

  令和5年版「高齢社会白書」を公表/内閣府
   

内閣府は20日、令和5年版「高齢社会白書」を公表した。2022年時点の65歳以上人口が占める割合は29.0%と増加し、高齢者の就業率も「65〜69歳」50.8%、「70〜74歳」33.5%とそれぞれ上昇している。健康寿命は男性72.68年、女性75.38年と延伸し、平均寿命と比較しても延びが大きいと指摘。
特集に「高齢者の健康をめぐる動向」を取り上げ、若い時から健康に心がけ始めた人や、「スポーツ・健康活動」「社会活動」に参加した人のほうが「健康状態が良い」割合が高いことなど、調査の分析結果を紹介している。
(概要)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/gaiyou/05pdf_indexg.html
(全体版)
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2023/zenbun/05pdf_index.html

   
 
   

  令和5年版「科学技術・イノベーション白書」を公表/文科省
   

文部科学省は20日、令和5年版「科学技術・イノベーション白書」を公表した。今回の特集では、地域の魅力と独自性に注目し、そこから生まれる様々なイノベーションを発掘・育成する試みと特色ある事例を多数紹介。
知の拠点である地方大学等、地域の実情を把握している地方公共団体、及び産業界の協働により、地域課題の解決やイノベーションを創出し、目指すべき地域ビジョンを策定することが重要としている。


   
   

  令和5年版「障害者白書」を公表/内閣府
   

内閣府は20日、令和5年版「障害者白書」を公表した。第3章の第2節「雇用・就労の促進施策」では、民間企業や国・地方公共団体における障害者の在籍状況、障害のある人の雇用対策(雇用率制度、納付金制度、助成金、職業訓練等)の状況、障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定制度)等について紹介している。
(概要)
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r05hakusho/gaiyou/pdf/r05gaiyou.pdf
(全体版)
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r05hakusho/zenbun/index-pdf.html

   
 
   

  石綿労災保険給付1,078件、前年度よりやや増加/厚労省
   

厚生労働省は21日、2022年度の「石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況」の速報値を公表した。労災保険給付の請求件数は1,361件(石綿肺を除く、前年度比83件・6.5%増)、支給決定件数は1,078件(同66件・6.5%増)。死亡労働者の遺族のうち、時効(5年)により遺族補償給付を受けることができない遺族を対象とする「特別遺族給付金」の支給決定件数は170件(同139件・448.4%増)だった。

(別添資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/001107940.pdf

   
   

  価格転嫁率は平均47.6%、転嫁できる割合の二極化進む/中小企業庁調査
   

中小企業庁は20日、「価格交渉促進月間(2023年3月)のフォローアップ調査」結果を公表した。同庁は毎年3月と9月を「価格交渉促進月間」に設定し、中小企業が、原材料費・エネルギー価格・労務費等の上昇分を発注側企業に適切に価格転嫁しやすい環境を整備するための取組を進めている。
調査結果によると、価格転嫁率(コスト上昇分を価格転嫁できた割合)は平均47.6%で前回調査(46.9%)より微増。価格転嫁率が高い(7〜10割)企業が増加(35.6%→39.3%)した一方、「全く転嫁できない」「減額された」割合も増加(20.2%→23.5%)しており、二極化の進行を指摘している。

(調査結果)
https://www.meti.go.jp/press/2023/06/20230620002/20230620002-1.pdf

   
   

  中小企業・小規模事業者の人材活用ガイドラインと事例集を公表/中小企業庁
   

中小企業庁は22日、中小企業・小規模事業者の経営課題に関連する中核人材の採用・育成、業務人材の採用・育成の課題への対応策・支援策をまとめた「ガイドライン」と、経営課題に対応する取り組みにより成果をあげた企業の事例集を公表した。事例集は、製造、建設、医療・福祉、情報通信、サービス、運輸、卸売の7業種、50企業について、採用、育成、環境整備についての取り組み内容を紹介している。

(ガイドライン)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/hitodebusoku/guideline/guideline.pdf
(事例集)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/hitodebusoku/guideline/jirei.pdf

   
   

  障害者の就職件数、コロナ禍以前に近い水準まで改善/厚労省
   

厚生労働省は5月31日、2022年度「障害者の職業紹介状況等」を公表した。ハローワークを通じた障害者の就職件数は10万2,537件、前年度比6.6%増となり、コロナ禍以前の2019年度(10万3,163件)に近い水準まで改善した。就職件数の増加要因は、前年度に続き新規求職申込件数の増加とともに、障害者の就職先として割合の高い「医療、福祉」、「製造業」などで求人数が引き続き増加し、特に「卸売業,小売業」で求人数の増加幅が拡大したことによるものとしている。ハローワークに届出のあった障害者の解雇者数は1,605人で、前年度(1,656人)を下回った。

(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001101527.pdf

   
   

  災害時の分散帰宅など「一斉帰宅抑制推進企業」を募集/東京都
   

東京都では、災害時の一斉帰宅の危険性や72時間待機後の分散帰宅の必要性を呼びかけており、6月20日から9月29日までの間、「一斉帰宅抑制推進企業」を募集している。HPには、2022年度までに認定したモデル企業と推進企業の取組事例が掲載されている。


   
   

  建設業・運輸業の働き方改革、PR動画(第1弾)を公開/厚労省
   

厚生労働省は28日、「働き方改革PR動画『はたらきかたススメ』シリーズ第1弾」を公開した。この動画シリーズは、2024年4月から開始する建設業で働く人やドライバーへの時間外労働の上限規制の適用に向けて制作するもの。
今回の第1弾は「総論編」で、2023年7月〜9月に順次、「トラック編」「バス編」「建設業編」を公開予定。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33876.html
参考・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準


   
   

  職業紹介事業者等の労働条件明示ルール等の変更について周知/厚労省HP
   

厚生労働省は、職業安定法施行規則の改正を受け、求人企業・職業紹介事業者が求職者に明示すべき労働条件の追加等に関するリーフレットを公表した。主な変更点は、「従事すべき業務の変更の範囲」、「就業場所の変更の範囲」、「有期労働契約を更新する場合の基準」(通算契約期間又は更新回数の上限を含む)を明示すべき事項に追加すること。2024年4月に施行予定。

(改正省令)
https://www.mhlw.go.jp/content/001114371.pdf

   
   

  働きながら学びやすい職業訓練の在り方など議論/厚労省研究会
   

厚生労働省は27日、第2回公的職業訓練の在り方に関する研究会を開催した。同研究会は、技術の進展や経済的環境の変化、働き方の多様化などを踏まえ、企業・個人のニーズに対応した公的職業訓練を提供するため、求められる制度の検証・検討を行う。非正規雇用労働者等が働きながらでも学びやすい職業訓練の具体的な制度設計に関して、受講対象層・到達すべき水準・成果指標、特性を踏まえた職業訓練コースの工夫、職業訓練実施機関(訓練コース)の選定方法、対象者への周知方法等を挙げている。


   
   

  フリーランス・事業者間取引適正化等法及び環境整備のガイドライン/厚労省
   

厚生労働省は、5月12日に「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)が公布されたことに関連して、同法及びガイドライン等情報を紹介している。法律施行後は、個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられることとなる。

(法律の概要)
https://www.mhlw.go.jp/content/001101551.pdf
(ガイドライン概要版パンフレット)
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000759478.pdf