労働HOT NEWS:バローグループユニオン
 
労働HOT NEWSは、「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」の許可を得、「メール マガジン労働情報」内の記事から掲載しております。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(URL:http://www.jil.go.jp/

 
【バックナンバー】
2004年ニュース 2005年ニュース 2006年ニュース 2007年ニュース
2008年ニュース 2009年ニュース 2010年ニュース 2011年ニュース
2012年ニュース 2013年ニュース 2014年ニュース 2015年ニュース
2016年ニュース 2017年ニュース 2018年ニュース 2019年ニュース
2020年ニュース 2021年ニュース 2022年ニュース
■2023年3月
2月 1月
 
     
  労使  
     
  昨年を大きく上回る要求額が相次ぐ/2023春闘での金属大手労組の賃上げ要求額
   

2023春闘では、先行大手の労働組合の要求提出と交渉・協議が進んでいる。金属労協(JCM)加盟の大手労組の賃上げ要求水準をみると、自動車総連では、本田技研労組が総額で1万9,000円、基幹労連の重工では、賃金改善額だけで1万4,000円を掲げるなど、昨年を大きく上回る要求水準が目立つ。電機連合の中闘組合を構成する主要12組合は、開発・設計職の個別ポイントで、7,000円(昨年3,000円)の引き上げを要求した。(JILPT調査部)

   
   

  業況DIは、コスト増に価格転嫁が追いつかず悪化/日商LOBO調査
   

日本商工会議所は2月28日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。2月の業況DI(全産業合計)はマイナス19.4で、前月比1.0ポイントの低下。小売業はインバウンド需要の増加により百貨店を中心に改善したが、建設業は建設資材の高騰の影響で悪化、製造業は外需の減退から電子部品関連を中心に悪化、卸売業は力強さを欠き、飲食・宿泊業は横ばいとしている。業種を問わず、人手不足や資源・エネルギー価格の高騰によるコスト増に価格転嫁が追いつかず、中小企業の業況は悪化したとしている。先行き見通しDIはマイナス19.2で、今月比0.2ポイントの上昇。新型コロナの5類移に伴う活動正常化で、売上増加を期待する声が小売業・サービス業から聞かれた一方で、活動回復に伴うさらなる人手不足が懸念されるとしている。

   
   

  「「スマートものづくり実践事例集」をリニューアル/東商
   

東京商工会議所は6日、中小ものづくり企業の先進的な取り組みを紹介する「スマートものづくり実践事例集」(更新版)を発表した。自社の名刺代わりとなる製品開発に挑戦する2事例、データ化・ペーパーレス化をタブレットの導入により実現した事例、トライ&エラーを楽しみながら自社オリジナルのIT化を推進している事例、コロナ禍をきっかけにオンラインを活用した情報発信に取り組んだ3事例などを追加した。

   
   

  「こども・子育て政策の強化に関する考え方」を発表/経団連
   

経団連は14日、「こども・子育て政策の強化に関する考え方」を発表した。同書では、少子化の要因を踏まえた対応の必要性として、処遇等の質の高い雇用創出や構造的な賃金引上げ、これから子育てを担う若年層への重点配分、有期雇用等労働者の正社員化やキャリア形成支援の推進などが必要とし、男性の育児休業の取得推進に一層取り組むとともに、男女ともに多様で柔軟な働き方を推進、両立しやすい環境を整備する必要があるとしている。

(概要)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/018_gaiyo.pdf
(本文)
https://www.keidanren.or.jp/policy/2023/018_honbun.html

   
   

  景気判断指数はプラス8.3からプラス18.9へ上昇/経済同友会
   

経済同友会は10日、経営トップ等を対象に実施した2023年3月の「景気定点観測アンケート調査」結果を発表した。前回調査(12月)と比べて、「緩やかに拡大している」が39.8%から52.1%へ増加し、「緩やかに後退している」が16.5%から11.1%へ減少したことから、同友会景気判断指数は8.3から18.9へ上昇した。雇用判断指数はマイナス36.9で、8期連続の低下。2023年度の賃上げについては、「実施する予定」(72.2%)、「実施しない予定」(2.8%)、「まだ決めていない」(25.0%)。賃上げの理由は、「人材確保・定着」(74.0%)、「足下の物価上昇」(50.0%)など。

   
   

  「2023年春季労使交渉」についてコメント/経団連・同友会
   

経団連と経済同友会は、2023年春季労使交渉・集中回答日の15日、会長名及び代表幹事名でそれぞれコメントを発表した。経団連は、今年は大幅な賃金引上げの宣言など、近年と異なる動きがみられ、自動車や電機等の大手企業が大幅なベースアップや、満額回答を含む高い水準の賞与・一時金など、物価上昇を十分に考慮した積極的な対応を表明されたことは、賃金引上げのモメンタムにこれまで以上の力強さを与えるものであり、率直に歓迎したいとし、経済同友会は、各企業の努力によって積極的な賃上げ回答や総合的な処遇改善に至り、この機運の高まりが中小企業や地方へと波及していくことを期待したい、などとしている。
▽経団連/会長コメント
https://www.keidanren.or.jp/speech/comment/2023/0315.html
▽同友会/代表幹事コメント
https://www.doyukai.or.jp/chairmansmsg/comment/2022/230315c.html

   
 
   

  ヤマ場の回答引き出し状況に対するコメント/連合
   

連合は16日、先行組合の回答引き出しのヤマ場とする14日から16日の回答状況を踏まえ、芳野会長・中央闘争委員のコメントを発表した。多くの組合が2014年以降最高となる賃上げを獲得したことについて、物価高による家計への影響はもちろんのこと、賃金水準の停滞が企業経営や産業の存続、日本の経済成長に及ぼす影響について、労使が中長期的視点を持って粘り強くかつ真摯に交渉した結果とし、先行組合が引き出した回答を中小組合、組合のない職場へと波及させる賃上げの流れの拡大が責務だとしている。

(回答速報、3月16日)
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/yokyu_kaito/sokuho/kaito_no03.pdf?5854

   
   

  30年ぶりに賃上げ率を3%台に乗せる/連合のヤマ場を終えての賃上げ回答集計結果
   

3月14日〜16日のヤマ場を含む13日〜17日までを「先行組合回答ゾーン」に設定していた連合(芳野友子会長)は17日、同日10時時点での第1回回答集計結果を発表した。定期昇給相当分込みの賃上げ額の加重平均は1万1,844円、率で3.80%となり、1994年以来、30年ぶりに賃上げ率が3%を超えた。
(JILPT調査部)

   
   

  賃金改善額が8,000円を超え、2014年以降で最高水準に/金属労協大手組合のヤマ場までの賃上げ回答
   

金属労協(JCM)に加盟する大手組合の先行回答状況によると、3月17日現在では、賃金改善分の平均額は8,131円となっており、昨年の最終結果である1,994円を大幅に上回るだけでなく、賃上げが復活した2014年以降で最も高い水準となっている。JCMが集中回答日に設定した3月15日に記者会見した金子晃浩議長は「JC共闘による相乗効果を発揮できた」などと評価した。(JILPT調査部)

   
   

  自動車総連のメーカー部会、電機連合の中闘のすべての組合が要求に対する満額回答を引き出す/金属労協の各産業での先行回答状況
   

金属労協に加盟する自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の各大手組合の賃上げの先行回答では、組合要求に対する満額回答が相次いだ。トヨタや日産の労働組合などを含む自動車総連のメーカー部会12組合では、すべての組合で要求満額を獲得。産別統一闘争を展開する電機連合の中闘組合は、揃って要求どおりの7,000円の改善額を引き出した。基幹労連に加盟する三菱重工や川崎重工などの総合重工組合は、賃金改善1万4,000円の満額回答を引き出した。(JILPT調査部)

   
   

  2012年結成以降で最も高い賃上げで妥結/UAゼンセンの第1のヤマ場回答の状況
   

UAゼンセンは16日、本部で記者会見を開き、2023労働条件闘争の第1のヤマ場(15日)を終えた16日午前10時時点での賃上げ妥結集計結果を公表した。正社員組合員、短時間組合員ともに、UAゼンセン結成(2012年秋)以降の闘争で最も高い賃上げ額となっている。正社員組合員では、「制度昇給」と「ベアなど」を合わせた賃上げ額全体の加重平均で1万3,830円(4.56%)となっており、パートタイマー組合員の時給の引き上げ額(制度昇給込み)は61.8円(5.90%)。(JILPT調査部)


   
   

  賃上げ率の加重平均は3.76%/連合第2回回答集計
   


連合は24日、2023年春季生活闘争第2回回答集計結果を発表した。平均賃金方式で回答を引き出した1,290組合の定期昇給相当分込みの賃上げ額の加重平均は1万1,554円、率で3.76%(前年同期比5,102円増・1.63ポイント増)。組合員300人未満の中小706組合では、定期昇給相当分込みの賃上げ額は8,763円、率で3.39%(同3,735円増・1.43ポイント増)。全体、中小組合ともに、比較可能な2013年闘争以降、賃上げ額・率とも最高。

   
   

  中小企業の約6割が賃上げを予定/日商・東商調査
   

日本商工会議所・東京商工会議所は28日、中小企業を対象とした「最低賃金および中小企業の賃金・雇用に関する調査」結果を発表した。「賃上げを実施予定」と回答した企業は58.2%(前年同期比12.4ポイント増)。賃上げ率は、近年の中小企業賃上げ率(2%弱)を上回る「2%以上」とする企業は58.6%、足下の消費者物価上昇率を概ねカバーする「4%以上」とする企業は18.7%。「最低賃金を下回り、賃金を引上げた」企業(直接的な影響を受けた企業)は38.8%。

(調査結果)
https://www.jcci.or.jp/20230328_survey_release.pdf

   
   

  中小企業向け賃上げ促進税制の周知チラシを作成/日商
   

日本商工会議所は27日、「中小企業向け賃上げ促進税制」を周知するためのチラシ「賃上げを検討している経営者必見!〜人への投資で自社のさらなる成長へ〜」を作成した。賃上げ促進税制は、一定の条件を満たす場合、給与等支給総額の増加額の15%から40%を税額控除できる制度。チラシでは、同制度を活用したモデルケースやQ&Aを盛り込んで同税制を解説している

(チラシ)
https://www.jcci.or.jp/2023chinagesokushinzeisei.pdf