労働HOT NEWS:バローグループユニオン
 
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■2023年1月
 
 
     
  労使  
     
  物価上昇下での実質賃金引上げが重要/連合会長
   

芳野連合会長は5日、年頭記者会見において「加盟組織による5%程度の賃上げの実現をめざすとともに、労働組合のない企業での処遇改善にも波及できるように後押しする」と述べた。総理の年頭記者会見での「インフレ率を超える賃上げの実現」という発言については、物価上昇のもとで「実質賃金を上げていき、経済に回していくことが非常に今まで以上に重要な年になっている」との認識を示し、最低賃金も世界標準に上げていくこと、非正規雇用労働者の処遇を通じで全体の底上げを図る必要があるなどとした。

   
   

  「分厚い中間層の形成」に向けた賃金引き上げ、労働移動の円滑化等を重視/経団連会長
   

十倉経団連会長は1日、新年のメッセージにおいて「サステイナブルな資本主義の実践」が非常に重要とし、持続的な経済成長の実現にむけて投資活性化と賃金引き上げのモメンタムの維持・強化に最大限努力していくとした。また、「分厚い中間層の形成」も重要とし、実現には、賃金の引き上げとともに人への投資や労働移動の円滑化、税と社会保障の見直しが必須であるなどと述べた。

   
   

  12月の業況DIは2.0ポイント低下、先行きも厳しい見方/日商LOBO調査
   

日本商工会議所は12月28日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表した。12月の業況DI(全産業合計)はマイナス18.4で、前月比2.0ポイントの低下。経済活動が正常化に向かう一方、原材料・エネルギー価格の高騰や人件費の増加等、増加するコストに見合う十分な価格転嫁も行えていない中、感染拡大も重なり、中小企業の業況は悪化に転じたとしている。先行き見通しDIはマイナス23.8で、今月比5.4ポイントの低下、エネルギー価格高騰によるコスト増や人手不足が企業経営の足かせとなり、外需の停滞も懸念され、中小企業の先行きは厳しいとしている。

   
   

  物価上昇から生活を守る姿勢も賃上げ方針のなかで強調/自動車総連の中央委員会
   

自動車総連(金子晃浩会長、79万6,000人)は12日、熊本県熊本市でオンラインを併用して中央委員会を開催し、今春の賃上げ交渉に向けた取り組み方針(「2023年総合生活改善の取り組み」)を決定した。それぞれの単組が目指すべき賃金の絶対額に向けて取り組む姿勢を強調するとともに、「物価上昇から生活を守り、実質賃金の低下から労働の価値を守る」と、物価上昇に対応した賃上げの必要性も強調。中小企業の価格転嫁につなげる「付加価値の適正評価」も取り組みの柱に据えた。(JILPT調査部)

   
   

  物価上昇への具体的な対応方法、7割以上が「ベースアップ」/経団連調査
   

経団連は17日、「2022年人事・労務に関するトップ・マネジメント調査結果」を発表した。最近の物価上昇への具体的な対応方法(複数回答)について尋ねたところ、「ベースアップ」(77.2%)、「賞与・一時金支給時に加算」(29.7%)、「手当(毎月支給)の新設・増額」(11.9%)など。リカレント・リスキリング教育の実施状況は、「実施している」が65.1%、「実施を検討中」(16.9%)をあわせると8割超となった。

   
   

  アルバイト先での労働条件、ハラスメント等のトラブル、3割以上が「ある」/連合調査
   

連合は13日、「学生を対象とした労働に関する調査」結果を発表した。アルバイト経験がある学生に、アルバイト先で労働時間や賃金などの労働条件、ハラスメント、人間関係等のトラブルにあったことがあるか尋ねたところ、「ある」は32.6%。内訳は、「労働時間関係(長時間労働、シフト等)」(43.3%)、「人間関係(いじめ、ハラスメント等)」(42.4%)など。「働くときに必要な法律や知識(ワークルール)について学習する機会があった」学生は62.1%、学習した場所は、「学校」(57.5%)、「自分で調べた」(41.1%)、「アルバイト先」(21.1%)など。

   
   

  物価動向を重視した賃金引き上げと中長期的な「人への投資」の重視等を求める/経団連報告
   

経団連は17日、春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンスなどを示す「2023年版経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)」を発表した。春季労使交渉について、「物価動向を特に重視しながら、賃金引き上げと総合的な処遇改善・人材育成を積極的に呼びかけていく」との基本方針を表明した。同報告では、経営側の基本スタンスとして、賃金と物価が適切に上昇する「賃金と物価の好循環」を形成していく必要があるとするとともに、中期的な観点から、働き手との価値協創による成長とその分配としての「人への投資」を重視した企業行動への転換等を呼び掛けた。

▽報告概要
https://www.keidanren.or.jp/journal/times/2023/0119_01.html
▽連合「連合見解」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/news/article_detail.php?id=1230

   
   

  賃金体系維持分を含め6%程度の引き上げを要求する闘争方針を決定/UAゼンセンの中央委員会
   

化学・繊維などの製造業からスーパーマーケットなどの流通業、また、サービス業に至るまで、幅広い業種をカバーするUAゼンセン(松浦昭彦会長、186万7,000人)は18日、大阪市で中央委員会を開催し、2023労働条件闘争方針を決定した。物価上昇分を確保するだけでなく、他産業との格差是正も意識し、賃金体系維持分を含めた引き上げ要求基準は連合方針よりも1%高い6%程度と設定した。パートタイマーの組合員の時給引き上げについては、5%以上の引き上げにさらに積極的に1%程度を上積み要求する内容とした。(JILPT調査部)

   
   

  ベアなどの要求基準を9,000円とする2023年春季生活闘争方針を決定/JAMの中央委員会
   

機械・金属関連の中小労組を多く抱えるJAM(安河内賢弘会長、36万7,000人)は17日、都内で中央委員会を開催し、2023年春生活闘争方針を決定した。物価上昇下での実質賃金の確保を強く意識し、ベアや賃金改善分だけでみた賃上げ要求基準について、昨年から3,000円上積みして9,000円に設定した。(JILPT調査部)

   
   

  12月の労働相談、前年同月比278件増の1,635件/連合「労働相談ダイヤル」
   

連合は19日、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年12月分集計結果を発表した。受付件数は1,635件で、前年同月比278件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(14.8%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(7.8%)、「解雇・退職強要・契約打切」(7.6%)など。上位4位の順位は前年同期と同じ。業種別では「医療・福祉」(22.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(20.4%)、「製造業」(13.0%)など。業種別上位5位の順位も前年同期と同様。

   
   

  フリーランスの46%がトラブルを経験したことが「ある」/連合調査
   

連合は23日、「フリーランスの契約に関する調査2023」結果を発表した。フリーランスとして仕事上でトラブルを経験したことが「ある」は46.1%、仕事内容別にトラブル経験の割合をみると、「文化・芸能・芸術関連」(58.8%)が最多。経験したトラブルの内容は「不当に低い報酬額の決定」(31.0%)、「一方的な仕事の取消し」(28.4%)など。フリーランスの適切な報酬や権利を守るために、64%が書面で契約したほうがいいと回答、契約書の締結の普及・浸透のために必要なことは、「フリーランスと取引する事業者への契約書面交付義務化の法整備」(47.6%)が最多。