労働HOT NEWS:バローグループユニオン
 
労働HOT NEWSは、「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」の許可を得、「メール マガジン労働情報」内の記事から掲載しております。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(URL:http://www.jil.go.jp/

 
■2008年5月
4月 3月 2月 1月
 
 
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  行政  
     
  資源高や円高への対応策、「雇用・賃金調整」実施は14%/厚労省調査
   
厚生労働省は4月30日、原油など資源価格の高騰や円高などが中小企業経営に与える影響についての調査結果を発表した。それによると74.1%の事業所が「収益を圧迫している」と回答。その対応策として「雇用調整または賃金調整」を実施した事業所は14.4%だった。賃金・雇用調整の手段は、ボーナスの切り下げ(49.6%)が多く、希望退職者の募集(3.6%)や解雇(3.6%)など、厳しい雇用調整を実施した事業所は少ない。
   
   

  IT活用などで労働生産性の向上を/08年版中小企業白書
   
政府は4月25日、2008年版の中小企業白書を閣議決定した。白書は、中小企業の労働生産性は大企業より低いと指摘し、ITの活用や海外展開(直接投資)による労働生産性の向上が課題としている。またサービス産業の付加価値を高めるために、担い手となる人材の確保・育成が重要とし、従業員の意欲や能力を高めるためのより積極的な取り組みを求めている。
   
   

  「G8労働大臣会合2008」が11日から新潟市で開催
   
G8(主要8カ国)労働大臣会合が11〜13日に新潟市で開催される。「はつらつとした持続可能な社会の実現に向けたベストバランスを求めて」との主議題の下、(1)個人の人生を充実させるためのワーク・ライフ・バランスと生涯キャリア形成、(2)就職困難者などへの雇用機会確保の支援、(3)途上国との関係や環境にやさしい働き方、などが議論される。
   
   

  「地域貢献活動分野促進センター」に3団体を指定/厚労省
   
厚生労働省は1日、「地域貢献活動分野促進センター」の運営主体に3団体を指定した。今後、定年を迎える中高年齢者が地域貢献活動を行うNPO法人などを就業先として積極的に選択できるよう、NPO法人やコミュニティ・ビジネスに関する情報や職場体験機会を提供する。
   
   

  正社員の賃金改定、8割以上の企業が実施/内閣府・企業行動調査
   
内閣府は4月25日、「2008年企業行動に関するアンケート調査」の結果を発表した。それによると、正社員の賃金をプラスに改定した企業割合は、業況が「良い」とする企業の91.3%、「悪い」企業の86.8%、「どちらでもない」では84.8%だった。従業員の雇用の不足感が大きいほど賃金の改定率が高くなる関係があると指摘している。
   
   

  再雇用制度、4分の3が「賃金改定・昇給なし」/賃金事情等総合調査
   
中央労働委員会はこのほど、2007年賃金事情等総合調査結果(確報)を発表した。定年制を採用している企業の98.7%が「再雇用制度」を導入しており、処遇や決定方法をみると、労働時間については「個別協議」(46.7%)、基本給は定年時と比べ「下がる」(82.3%)、賃金改定・昇給は「ない」(75.9%)、賞与は一般労働者と比べ「低い」(47.1%)がそれぞれ1位だった。
   
   

  「キャリア教育ハンドブック」を公表/経産省
   
経済産業省は4月28日、「キャリア教育ガイドブック」を公表した。学校・産業界・地域が一体となったキャリア教育の取り組みをまとめたもの。「物語編」と「実践編」に分かれ、現場から生まれたエピソードや、実際にキャリア教育を行うための「いろは」を収録している。
   
   

  企業規模・IT化・グローバル化が生産性の違いに/内閣府
   
内閣府は4月28日、「業種別生産性向上に向けた検討課題」と題するレポートを公表した。データ分析の結果から、企業の規模、IT化、規制、グローバル化などの要因が生産性の違いとなって現われていると指摘。また、有識者へのヒアリングでは、ITの活用と組織改革、産学連携、人材育成、異業種連携などが生産性向上の課題にあがった。
   
   

  サービス産業の生産性向上策を提示/経産省
   
経済産業省は4月30日、サービス産業の生産性向上に向けたプログラムを公表した。小売業や総合商社など11業種について政府が取り組むべき施策を工程表として提示。同プログラムには、人材の確保・育成に向けて業界横断的なスキル基準・能力評価制度の整備、資格検定制度の充実などを盛り込んでいる。
   
   

  若者に「海の仕事」をPR/船員など紹介のHP開設
   
海の仕事しませんか――若者らに海に携わる仕事を知ってもらおうと、国土交通省などは8日までに、海運業や造船業、海上保安官などを紹介するホームページ(HP)「海の仕事ドットコム」を開設した。海の仕事をめぐっては、映画「海猿」の影響で、海上保安官を目指す若者が一時的に増えた時期もあったが、船員のなり手は年々減少している。(共同通信)

▽「海の仕事ドットコム」ホームページ
http://www.uminoshigoto.com/
   
   

  「高度外国人材」受入れ拡大で対策会議の設置を/経済財政諮問会議
   
福田首相は9日の経済財政諮問会議で、専門知識や技術を持った外国人(高度外国人材)の受入れ拡大を議論するための対策会議を官房長官の下に設置するよう指示した。諮問会議では民間議員が受入れの数値目標を現在の16万人から30万人にするよう提案。これに対し、舛添厚労相は「数字ありきでは高度でない人材が流入する可能性がある」と懸念を表明した。対策会議は有識者、労使などで構成。審議状況を今秋諮問会議に報告する。
   
   

  外国人研修・実習、受入れ機関の不正行為が過去最多/入国管理局
   
法務省入国管理局はこのほど、外国人研修生・実習生を受け入れた機関のうち、2007年に「不正行為」があったと認定した団体は449と発表した。前年の2倍で過去最多にのぼる。「不正行為」のうち最も多かったのは「労働関係法規違反」(178件)で、その大半が賃金不払いによるもの。「研修生の所定時間外作業」は98件、「不法就労者の雇用」は31件だった。
   
   

  「新潟宣言」発表、環境に優しい働き方の促進を/G8労働大臣会合
   
主要8カ国(G8)労働大臣会合が11〜13日に新潟市で開かれた。「はつらつとした持続可能な社会の実現に向けたベストバランスを求めて」をテーマに議論。環境に優しい働き方を促進する「新潟宣言」などを盛り込んだ議長総括を発表して閉幕した。
(議長総括のポイント)
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20080514b.pdf
(G8労組指導者、福田首相と会見)
http://www.kantei.go.jp/jp/hukudaphoto/2008/05/13g8rouso.html

◇労働政策フォーラム(5月13日開催)配布資料
テーマ:グローバル化と労働組合の「いま」−主要国の経験と対応−
講師:G8労組指導者ほか
http://www.jil.go.jp/event/ro_forum/resume/080513/index.htm
   
 
   

  「人生85年時代」に向け4つの提言/厚労省懇談会
   
厚生労働省は9日、「人生85年ビジョン懇談会」の報告書をとりまとめた。寿命85年を前提とした人生設計のため、(1)子どもの頃から文化や地域とふれあい「自分づくり」に励む(2)若い頃から世代を超えて交流する(3)仕事と生活のバランスのとれた働き方を実現する(4)「世間」のために役立つ生き方を探る、など4つの提言を盛り込んでいる。
   
   

  中皮腫死で救済されず/堺の男性、時効で
   
アスベスト(石綿)関連の仕事をして2002年1月に腹膜中皮腫で亡くなった堺市の下野芳治さん=当時(76)=と遺族が、労災認定の資格があるのに気付かずに5年の請求時効を過ぎ、石綿健康被害救済法の時効救済でも救われないことが12日、分かった。関西労働者安全センター(大阪市)によると、石綿との因果関係が明確とされる中皮腫で、時効のため救済されない事例は初めて。(共同通信)
   
   

  初審命令を一部変更、専務理事発言を不当労働行為に/中大生協事件
   
中央大学生活協同組合の組合員に対する配置転換や総代会への参加拒否、同会での専務理事の発言などが不当労働行為に当たるとして救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は4月23日、命令書を交付した。総代会での組合などに対する専務理事の発言については初審命令を変更し不当労働行為と認定。その他の組合からの再審申立ては棄却した。
   
   

  組合側の再審査申し立てを棄却/福島健康管理センター事件で中労委
   
社会保険庁、全社連、健康管理センターによる組合委員への嫌がらせ等は組合活動を理由とするもので不当労働行為にあたるとして救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は4月23日、組合側から出されていた再審査申し立てを棄却した。初審命令と同様に、同センターなどを労組法上の使用者と認めず、連合会の不当労働行為も否定した。
   
   

  60歳以上の約半数、「働けるうちはいつまでも」/内閣府調査
   
内閣府は15日、「高齢者の経済生活に関する意識調査」結果を発表した。収入のある仕事をしている理由をたずねたところ、「生活費をまかなうため」(53.9%)が最も多く、次いで「健康によいから」(37.8%)、「生きがいが得られるから」(34.6%)の順になっている。希望する退職年齢については、60歳以上の48.5%が「働けるうちはいつまでも」と回答した。

◇JILPT特集ページ「高齢者雇用」
http://www.jil.go.jp/tokusyu/korei/index.htm
   
   

  職場での熱中症による死亡災害、2007年は18件/厚労省
   
厚生労働省は14日、「職場での熱中症による死亡災害の発生状況」を発表した。それによると、2007年の死亡災害は18件。業種別では建設業(10件)が過半数を占め、警備業、製造業(いずれも2件)が続く。同省は、熱中症の予防措置として、労働衛生教育の確実な実施や作業者の健康状態の把握、適切な休憩設備の確保などが必要としている。
   
   

  インドネシア人看護師など受入れ機関の募集を開始/厚労省
   
看護・介護分野の労働者の受入れを含む日本とインドネシアの経済連携協定(EPA)が16日の参院本会議で可決、承認された。厚生労働省は19日、同協定に基づく受入れの指針を公示。あっせん機関に指定された社団法人国際厚生事業団が、インドネシア人看護師・介護福祉士候補者の受入れ機関(介護施設、病院など)の募集を開始した。
   
   

  ハローワークの紹介による障害者の就職件数、過去最高に/厚労省
   
厚生労働省は16日、2007年度の「ハローワークにおける障害者の職業紹介状況」をまとめた。ハローワークでの職業紹介による障害者の就職件数は、前年度より3.6%増加して過去最高の4万5,565件。近年、精神障害者の就職件数の伸びが著しい傾向にあり、2007年度においても8,479人(前年度比25.8%増)と大きく増加した。
   
   

  基礎年金の「全額税方式化」で試算を公表/社会保障国民会議
   
政府の社会保障国民会議の「雇用・年金」分科会は19日会合を開き、基礎年金を「全額税方式化」した場合の追加財源の規模や消費税率などに関する試算を公表した。2009年度から移行する場合に必要な財源を9〜33兆円(保険料納付実績の給付への反映方法の違いなどにより4パターンを提示)と推計。消費税率に換算すると3.5〜12%分に相当する。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyoukokuminkaigi/kaisai/syotoku/dai04/04gijisidai.html
(資料:公的年金制度に関する定量的なシミュレーション)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/syakaihosyoukokuminkaigi/kaisai/syotoku/dai04/04siryou5.pdf
   
   

  「歳出・歳入一体改革」など議論/経済財政諮問会議
   
政府の経済財政諮問会議は20日、首相官邸で会合を開いた。民間議員が「歳出・歳入一体改革」と「税制改革」に関する意見書を提出。福田首相は「『基本方針2006』に則って、引き続き歳出・歳入一体改革に取り組み、2011年度には確実に基礎的財政収支の黒字化を達成する」「税制については、今日の議論も踏まえて、この秋に抜本的税制改革に取り組む」との意向を表明した。
   
   

  残業代の不払い、全職員の4分の1で/都市再生機構
   
独立行政法人都市再生機構は16日、2007年10月から08年2月までの間に、全職員の4分の1にあたる900名に対して総額1億5,300万円の時間外勤務手当(残業代)の不払いがあったと発表した。同機構は今年2月に新宿労働基準監督署から残業代不払いについて是正勧告を受けていた。
   
   

  会社側の再審査申し立てを棄却/近畿生コン事件で中労委
   
近畿生コン株式会社が労働者供給事業を行う労組に対して、労働者の供給依頼を停止し続けているのは不利益取扱いであり、支配介入に該当するとして救済申立てのあった事件で、中央労働委員会は19日、命令書を交付した。会社の行為は、労働者供給事業を行う組合間の平等を定めた確認書に反するなどとして、不当労働行為に該当すると判断。初審命令を維持し、会社側の再審査申立てを棄却している。