労働HOT NEWS:バローグループユニオン
 
労働HOT NEWSは、「独立行政法人 労働政策研究・研修機構」の許可を得、「メール マガジン労働情報」内の記事から掲載しております。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構(URL:http://www.jil.go.jp/

 
■2007年8月
7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月        
 
 
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  行政  
     
  石綿被害者の「健康管理手帳」、交付対象を拡大/労働安全衛生規則改正
   
労働政策審議会は7月30日、「労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱」などについて、「妥当と認める」と答申した。石綿(アスベスト)等の製造または取扱業務に従事した人が年2回、無料で健康診断を受けられる「健康管理手帳」の交付対象を拡大。(1)石綿等の製造作業などに1年以上従事し、初めてばく露した日から10年以上経過している、(2)石綿等を取り扱う作業に10年以上従事した経験がある、のいずれかに該当する者を交付対象に加える。10月1日に施行する予定。

▽「石綿に関する健康管理手帳」の交付について(現行制度)/厚労省
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/sekimen/techo/index.html
   
   

  事業所の8割、「人材育成に問題」/厚労省「能力開発基本調査」
   
厚生労働省は7月19日、2006年度の能力開発基本調査の結果を発表した。事業所の80.6%が「人材育成に問題がある」と回答。その内訳を見ると、「指導する人材が不足している」(59.1%)、「人材育成を行う時間がない」(55.7%)などがあげられている。また、非正社員に対する「OFF-JT」「計画的なOJT」「自己啓発支援」の実施割合は、いずれも正社員に対する実施割合を大きく下回っている。
   
   

  「一人ひとりの働き方に応じた成果配分の実現を」/07年労働経済白書
   
厚生労働省は3日、「ワークライフバランスと雇用システム」をテーマにした「平成19年(07年)版労働経済の分析(労働経済白書)」を発表した。近年は労働生産性が上昇しても賃上げ、時短の動きはともに停滞しており、経済成長と労働生産性の上昇を労働条件の改善につなげる従来のメカニズムが働きにくくなっていると分析。仕事と生活の調和(ワークライフバランス)に役立つ制度を労働者が選択、活用できる雇用システムの実現に向け、成果配分のあり方を今までの一律的なものから、一人ひとりの働き方に応じたものへと見直すことが求められると指摘している。(要約)

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/07-2/index.html(本文)
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/07/index.html
   
 
   

  「中小企業労働時間適正化促進助成金」を創設
   
時間外労働の削減に取り組む中小企業に助成金を支給する「中小企業労働時間適正化促進助成金」がこのほど創設された。特別条項付き時間外労働協定(36協定)の対象者の半減や年次有給休暇の取得促進、新たな常用労働者の雇い入れなどを盛り込んだ「働き方改革プラン」(実施期間1年間)を策定し、都道府県労働局長の認定を受けた中小企業の事業主に対し、プランに基づき就業規則を整備した時などに50万円、プラン完了時に50万円を支給する。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken03/index.html

【中労委命令】 http://www.mhlw.go.jp/churoi/futouroudou/h19.html
   
 
   

  嘱託職員の雇い止め、不当労働行為の認定取り消し/北九州市事件
   
期間を1年とする委嘱を繰り返してきた組合員の嘱託職員(看護師)を北九州市が再委嘱しなかったことなどをめぐり、不当労働行為の救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は7月17日に命令書を交付した。本件雇止めは原則として60歳に達した嘱託職員を再委嘱しないとの同市病院局の方針により行った措置と認められるとの判断を示し、これを不当労働行為に該当するとした初審命令を取り消した。
   
   

  会社の行為は組合運営への支配介入に該当/ナック事件
   
株式会社ナックの役員が組合の存在を否定するような言動を行い、組合の分会壊滅を指示したなどとして、不当労働行為の救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は6月29日、会社の行為を労働組合法第7条第3号の支配介入に該当するとした初審命令を維持する命令書を交付した。初審命令主文を一部変更した上で、救済を命じている。
   
   

  郵産労支部への組合事務室貸与命じる/日本郵政公社中野郵便局事件など
   
日本郵政公社が中野、杉並、杉並南、豊島の各郵便局で他の組合には貸与していた組合事務室を貸与しないとして、郵産労から不当労働行為の救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は6月26日に命令書を交付した。郵政公社の不当労働行為を認め、郵産労各支部への組合事務室の貸与などを命じている。
   
   

  初審命令を一部変更/モリタエコノス事件
   
株式会社モリタ(会社分割後は株式会社モリタエコノス)が(1)別組合には貸与していた組合事務所等の貸与に応じなかった、(2)会社分割を議題とした団体交渉に誠実に対応しなかった、として、不当労働行為の救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は6月22日、初審命令を一部変更する命令書を交付した。(2)について初審はモリタ、モリタエコノスの両社に文書手交を命じたが、モリタエコノスは「その名あて人たる立場にない」として、同社による文書手交を取り消した。
   
   

  法人の再審査申立てを棄却/東京都自動車整備振興会事件
   
社団法人東京都自動車整備振興会が賃上げについて組合との間で妥結した後、別組合との間でこれを上回る水準で再妥結したことから、組合が再妥結の内容と同水準の賃上げを求めたところ、法人がこれに応じなかったのは不当労働行為だとして、救済申立てがあった事件の再審査で、中央労働委員会は6月18日、再審査申立てを棄却した。初審命令を維持し、法人の対応を不当労働行為に当たるとして救済を命じている。本件は法人の行為を不当労働行為に当たるとした初審命令の取消等を求めて、法人が再審査を申し立てていたもの。
   
   

  合同労組の申立人適格認める/尼崎市・尼崎市教育委員会事件
   
尼崎市と同市教育委員会が、組合との団体交渉に誠実に応じないなどととして、大阪教育合同労働組合から救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は6月18日、この組合の申立人適格を認めず、申立てを却下した初審決定を変更する命令書を交付した。この合同労組の申立人適格は認めたうえで、救済の申立てを棄却している。
   
   

  組合側の再審査申立てを棄却/田中酸素事件
   
田中酸素株式会社が夏期賞与等に関する団体交渉に応じなかったなどとして、不当労働行為の救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は6月11日、組合側から出されていた再審査申立てを棄却する命令書を交付した。初審命令は申立ての一部について不当労働行為に当たるとして救済を命じたが、組合側は救済方法が不十分だとして再審査を申し立てていた。
   
   

  生産性上昇に向けた企業行動を分析/07年度経済財政白書
   
内閣府は7日、07年度の経済財政白書を発表した。経済社会の環境変化に対応した企業行動を生産性の上昇という観点から分析。持続的な成長確保のためには、「資本深化」と「全要素生産性の上昇」のバランスをとり、労働生産性を上昇させることが必要だと指摘した。また、労働市場の構造変化が家計部門に与えた影響について、雇用形態多様化の視点を軸に整理。雇用制度の変化に伴う雇用への影響や労働者の賃金交渉過程を分析し、格差と所得再分配政策のあり方を考察している。
   
   

  雇用情勢、「着実に改善」に上方修正/8月の月例経済報告
   
大田経済財政担当相は7日の関係閣僚会議に8月の月例経済報告を提出した。景気の基調判断は「生産の一部に弱さがみられるものの、回復している」に据え置いたものの、雇用情勢については、前月までの「改善に広がりがみられる」から「着実に改善している」に上方修正している。また、輸出、輸入は「横ばい」から、「緩やかに増加」、「緩やかに減少」へとそれぞれ変更した。
   
   

  短時間労働者にも雇用率制度の適用を/厚労省研究会
   
厚生労働省は7日、障害者雇用対策の充実強化策について検討していた3つの研究会の報告書を発表した。週所定労働時間が20時間以上30時間未満の短時間労働者に対しても障害者雇用率制度を適用(0.5人として算定)することや、300人以下の中小企業も障害者雇用納付金制度の適用対象にすること、障害者の就労支援を担う人材の育成、などについて提言している。
   
   

  労働安全の規制改革など厚労省に勧告/総務省
   
総務省は7日、厚生労働省に対して、「労働安全等に関する行政評価・監視結果」に基づく勧告を行った。長期間本格的な見直しが行われていない労働安全等に関する規制の改革や、小規模事業場に対する安全衛生対策として効果があがっていない産業医共同選任事業を廃止し、産業医の共同選任に対する効果的、効率的な助成方策を検討することなどをあげている。

http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070807_1.pdf
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070807_1_2.html
   
 
   

  「現代の名工」4名、第2回ものづくり日本大賞を受賞
   
第2回ものづくり日本大賞の内閣総理大臣賞受賞者が3日決定した。「現代の名工」の4名(キヤノン電子(株)の伊藤政雄さん、(株)ヒキフネの石川進造さん、(株)日立ハイテクノロジーズの上遠野徹さん、三鷹光器(株)の長谷部孫一さん)らが選ばれた。
   
   

  フルキャストに業務停止命令/派遣法に違反、東京労働局
   
東京労働局は3日、株式会社フルキャストに対して、労働者派遣法違反による事業停止命令を出した。同法が禁じている港湾運送業務への労働者派遣を行ったため。業務停止期間は8月10日からで、そのうち違反行為のあった同社三宮支店、三宮北口支店、元町支店では10月9日まで、その他の支店などは9月9日までとしている。

▽フルキャストのホームページ
http://www.fullcast.co.jp/
   
   

  地域別最低賃金改定の目安、6〜19円の引き上げを答申/中央最賃審
   
中央最低賃金審議会は10日、2007年度の地域別最低賃金額改定の目安について、厚生労働大臣に対して答申した。労使で意見が一致しなかったことから、公益委員見解を地方最低賃金審議会に提示。引き上げ額の目安はAランク19円、Bランク14円、Cランク9〜10円、Dランク6〜7円となっている。引き上げ額の全国加重平均は14円。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/s0810-4.html

▽連合事務局長談話(8日)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2007/20070808_1186541590.html
▽日商会頭コメント(8日)
http://www.jcci.or.jp/nissyo/kaito/2007/com070808.html
   
 
   

  国家公務員給与、6年ぶりに引き上げ勧告/若年層に限定、人事院
   
人事院は8日、07年度の国家公務員の給与を平均1,352円、0.35%引き上げる内容の勧告を国会と内閣に対して行った。給与引き上げの勧告は6年ぶり。「民間との間に相当の差が生じている初任給を中心に若年層に限定した改定」とし、中高年層は据え置く。一時金も年間0.05カ月分引き上げるものとなっている。また、給与構造改革の一環として、「複線型人事管理」の導入に向けた「専門スタッフ職俸給表」の新設を提起した。
http://www.jinji.go.jp/kankoku/h19/h19_top.htm

▽連合事務局長談話
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2007/20070808_1186566177.html
▽公務労協声明
http://www.komu-rokyo.jp/info/rokyo/2007/2007rokyo_infoNo40.html
▽全労連事務局長談話
http://www.zenroren.gr.jp/jp/opinion/2007/opinion070808_01.html
   
 
   

  08年度の概算要求基準を了承/経済財政諮問会議
   
政府の経済財政諮問会議は9日に会合を開き、2008年度の概算要求基準を了承した。10日の閣議で了解される予定。一般歳出は47.3兆円(07年度当初は47.0兆円)に設定。年金・医療等については、自然増(7,500 億円)に対し、制度・施策の見直しによる削減・合理化(マイナス2,200 億円)を図り、5,300 億円程度の増とする。
   
   

  産業医の職務範囲の明確化など提言/厚労省検討会
   
厚生労働省は9日、「産業医・産業医科大学のあり方に関する検討会」の報告書を発表した。今後の産業医の職務のあり方について、メンタルヘルス対策や過重労働対策など、具体的な職務の範囲を明確にすることを検討すべきだと指摘。また、メンタルヘルス対策として、産業医が労働者に直接面接、相談することを促していく方策の検討などを求めている。