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労働 HOT NEWS


2024年4月


労働者協同組合の設立、87法人/厚労省

厚生労働省は1日、労働者協同組合法の施行(2022年10月1日)から1年6カ月が経過した時点での 労働者協同組合の設立状況を公表した。設立数は、計87法人。荒廃山林を整備したキャンプ場の経営、 葬祭業、成年後見支援、家事代行、給食づくり、高齢者介護など様々な事業を行っていることを紹介。 労働者協同組合は、労働者が組合員として出資し、その意見を反映しつつ自ら事業に従事することを 基本原理とする組織。労働者協同組合を通じ、多様な働き方を実現しつつ、地域課題解決のために活動 する人々の選択肢が広がるよう取り組んでいく、としている。2024年度から新たに、国がモデル地域として 選定した都道府県に設置される協議会における労働者協同組合の活用を通じ、多様な働き方ができる環境の 整備、多様な雇用機会の創出を行う地域の取り組みを支援し、全国に展開するモデル事業を実施する。

「job tag(職業情報提供サイト)」をリニューアル/厚労省

厚生労働省は3月27日、「job tag」(じょぶたぐ・職業情報提供サイト)のリニューアルを公表した。 「job tag」は、500を超える職業について、ジョブ、タスク、スキル等の観点から職業情報を「見える化」し、 求職者等の就職活動や企業の採用活動、人材育成等を支援するウェブサイト。求職者や企業の採用・人事担当者、 転職・就職を支援するキャリアコンサルタントなど、より幅広く活用されるよう、リニューアルした。主な リニューアルのポイントは、使い方動画や教育機関での「活用ガイド」の掲載、新たな職業の追加や「IT分野」 の職業情報の拡充、自己診断ツールの機能充実など。

「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」公表/経産省

経済産業省は3月26日、「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表した。 仕事をしながら介護に従事する、いわゆる「ビジネスケアラー」に関わる諸課題への対応として、より幅広い 企業に両立支援への取り組みを促すため、企業経営における仕事と介護の両立支援が必要な背景・意義や 両立支援の進め方などをまとめたもの。経営層企業が取り組むべき事項をステップとして具体的に提示している。

浪速建資産業外1社不当労働行為再審査事件で初審命令を一部変更/中労委

(1)浪速建資産業、ナニワ生コン及び会社らがそれぞれ団交申入れに応じなかったこと、(2)浪速建資産業が 組合員らを懲戒解雇したこと等が不当労働行為であるとして、申立てがあった事件の再審査事件において、 中央労働委員会は3月26日、組合員らが、同じ業界の企業に対する威力業務妨害の疑いで逮捕・勾留された こと等を踏まえれば、懲戒解雇には合理的理由があり、不当労働行為には当たらないとして、初審命令中、 上記(2)に係る救済部分を取り消し、その余の再審査申立てを棄却した。

フリーランスの就業環境整備に関する報告書の骨子案等を提示/厚労省有識者会議

厚生労働省の有識者会議(「特定受託事業者の就業環境の整備に関する検討会」)は3月28日、フリーランスの 就業環境の整備等に関する「報告書骨子(案)」、「指針(案)」を提示した。今年秋のフリーランス新法 (フリーランス・事業者間取引適正化等法)の施行に合わせて政省令、告示で具体化する。妊娠、出産若しくは 育児又は介護に対する配慮(フリーランス法13条第1項)については、業務委託を6か月継続している場合を 対象とする。ハラスメント対策(同法第14条関係)では、指針(案)で、発注者側が講ずる措置として、方針等の 明確化とその周知・啓発、フリーランスからの相談(苦情を含む)に対応するために体制整備等をあげた。契約の 中途解約、不更新についての30日前の予告と理由開示(法16条関係)の方法は、書面、電子メール等によるとし、 災害その他やむを得ない事由がある、契約期間が短期間(30日間以下)である、フリーランス側の責めに帰すべき事由がある等の場合は、事前予告は不要としている。

2022年度の派遣労働者数、対前年度比2.6%増加/厚労省集計

厚生労働省は3月29日、2022年度「労働者派遣事業報告書」集計結果(速報)を公表した。 派遣労働者数は約215万人(対前年度比2.6%増)、無期雇用派遣労働者数は82万8,638人(同6.8%増)、 有期雇用派遣労働者数は131万7,815人(同0.1%増)。8時間換算・平均での派遣料金2万4,909円(同1.8%増)、 派遣労働者の賃金は1万5,968円(同1.7%増)だった。

「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」策定/厚労省

厚生労働省は3月29日、「求職者等への職場情報提供に当たっての手引」策定を公表した。 各企業等が採用活動の参考にできるよう、現行の労働関係法令等で定められている開示項目等の整理及び 求職者等が求める情報を例示するほか、企業等が職場情報を提供する際の一般的な課題や対応策を提示。 転職経験者、求人企業及び民間人材サービス事業者にヒアリング等の調査研究を行い、労政審職業安定 分科会で議論し策定。

人材育成に関する調査研究事業報告書を公開/厚労省

厚生労働省は「内部労働市場を活用した人材育成の変化と今後の在り方に関する調査研究」報告書 と事例集を公開している(2022年度委託事業、三菱総研)。内部労働市場における人材戦略に生じている 変化について、先進的取組みを行う企業にヒアリング調査を行い、内部労働市場を活用した人材育成の変化と 今後の在り方について、特にキャリア自律という観点から整理し、示唆を検討したもの。

全国労働衛生週間のスローガンを募集/厚労省

厚生労働省は、毎年10月に行われている全国労働衛生週間のスローガンを募集している。スローガンは、 時間外・休日労働の削減、年次有給休暇の取得促進による仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の 推進、職場環境改善の取組等メンタルヘルス対策の推進などの自主的労働衛生活動の促進を図る内容のもの。 誰でも応募可能。募集期間は4月30日まで(当日消印有効、電子メールによる応募も可)。 全国労働衛生週間は、10月1日から7日までを本週間として毎年実施、今年で75回となる。

中小企業1企業当たりの売上高は2億1,000万円/経産省調査

経済産業省は3月29日、2023年「中小企業実態基本調査」(2022年度決算実績)速報を公表した。同調査は、 中小企業の財務情報、経営情報等を把握するため、業種横断的な実態調査として毎年行っているもの。 1企業当たりの売上高は2億1,000万円(前年度比15.9%増)、経常利益は978万円(同12.4%増)。 1企業当たりの従業者数は10.0人(同8.3%増)、設備投資を行った法人企業の割合は21.9%(前年度差0.3ポイント減)。

「DX支援ガイダンス」を策定/経産省

経済産業省は3月27日、「DX支援ガイダンス:デジタル化から始める中堅・中小企業等の伴走支援アプローチ」 と別冊事例集を公表した。「支援機関を通じた中堅・中小企業等のDX支援の在り方に関する検討会」の議論を まとめたもの。DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでいる中小企業の労働生産性や売上高は 向上しており、DXの取組は必要不可欠とする一方、人材・資金不足等から中小企業が独力でDXを推進することは 難しく、地域の伴走役たる支援機関によるDX支援が有効として、支援機関が中堅・中小企業等へのDX支援の際に 考慮すべき事項について解説している。

力強い賃上げの流れで「物価上昇を上回る所得」の実現を/経済財政諮問会議

政府は2日、経済財政諮問会議を開催し、マクロ経済運営及び経済・財政一体改革の点検・検証と中長期政策の 方向性について議論が行われた。首相は、連合の第2回春闘集計結果が昨年の3.76%に対して5.25%、中小企業も 3.39%に対して4.50%となっていることについて「力強い賃上げの流れが出来てきている」とし、今年中の 「物価上昇を上回る所得の実現」、来年以降の「物価上昇を上回る賃金」の定着に向けた動きを、中小企業を 含めて、更に拡大していくと述べた。 また、成長力強化に向けては、「DX(デジタルトランスフォーメーション)・AI(人工知能)・省力化投資等を 進めるとともに、中長期的に、非正規雇用の正規雇用への転換、リスキリング、研究開発投資等を通じて生産性の 向上を図っていくことが重要」とし、深刻化する人口減少に対応するため「年齢に関わらず能力・意欲に応じて 生涯活躍できる社会の構築、希望出生率の実現による出生率の向上等に取り組んでいく必要がある」などと述べた。

不妊治療をする従業員の支援制度等がある企業は26.5%/厚労省調査

厚生労働省は3月29日、「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査」結果を公表した。不妊治療を している従業員の支援制度等がある企業は26.5%で、最も多いのは「不妊治療に利用可能な休暇制度」47.8%。 不妊治療をしたことがある人のうち、仕事と両立している(いた)人は半数以上(55.3%)だが、両立ができず 退職した人は10.9%。労働者が行政に望む支援は、「企業における不妊治療と仕事との両立支援のための勤務時間、 休暇等に関する制度の導入を促す」(30.4%)が最多。

育児休業給付金の期間延長手続きを厳格化/厚生労働省

厚生労働省は、育児休業給付金の延長支給の申請について、保育所入所の意思がないのに受給期間延長のために 入所申込みをする行為を防ぐため、本人記載の申告書と保育所等の利用申込書の写しの提出を求めることとした。 これらにより、合理的理由なく自宅又は勤務先から離れた保育所への申込みをしていないか、申込みに当たり 入所保留を希望していないかを確認し、延長の適否をハローワークが判断する。子が1歳又は1歳6カ月に 達する日(「パパ・ママ育休プラス」により、育児休業終了予定日が子の1歳に達する日後である場合は 育児休業終了日、育児休業終了予定日が1歳2カ月に達する日である場合は1歳2カ月に達する日)が2025年 4月1日以降である延長申請が対象となる。

自動車運送事業者の働きやすい職場認証制度、特定技能制度の活用の条件にも/国交省

国土交通省は5日、自動車運送事業者による職場環境改善の取り組みを国が認証する「働きやすい職場認証制度」 の2023年度申請事業者について、認証事業者として878社を公表した。今回、「三つ星」認証も初めて実施され、 44社が認証された。5日現在の認証事業者数は、事業別にトラック2,502社、バス339社、タクシー894社で 計3,735社。また、3月29日の閣議決定により、特定技能の在留資格制度に「自動車運送業分野」が追加され、 同分野における特定技能所属機関の条件として、本制度の認証取得が設定された。

民営職業紹介事業所の新規求職申込件数、対前年度比46.5%増/厚労省集計

厚生労働省は3月29日、「職業紹介事業報告書」(2022年度報告)集計結果(速報)を公表した。 民営職業紹介事業所(有料・無料)における新規求職申込件数は約2,891万件(対前年度比46.5%増)、 内訳は、有料では「運搬の職業」(558万2,581件)が最多、無料では「看護師」(10万6,359件)が最多。 求人数(常用求人)は約1,179万人(同14.5%増)、就職件数(常用就職)は約81万件(同8.7%増)。

労働者供給事業の実施組合等数は102組合/厚労省集計

厚生労働省は3月29日、2022年度「労働者供給事業報告書」集計結果(速報)を公表した。労働者供給事業を 実施している組合等数は102組合で、対前年度比2組合の減。供給実人員は2万3,230人で、同54.0%の増。 労働者供給事業とは、職業安定法第45条に基づき、労働組合等が厚生労働大臣の許可を受けて行う、無料の労働者供給事業のこと。

年金財政検証の経済前提について議論/厚労省社保審専門委員会

厚生労働省は12日、社保審年金部会「年金財政における経済前提に関する専門委員会」を開催し、 財政検証の経済前提について議論した。厚生年金・国民年金においては、少なくとも5年に一度、 いわゆる財政検証を行うこととされている。12日の会議では、令和6年財政検証に用いる経済前提に ついての検討結果の報告案を提示。シナリオとして「成長実現ケース」「長期安定ケース」 「現状投影ケース」「一人当たりゼロ成長ケース」の4つを設定し、物価上昇率、賃金上昇率、 運用利回りの長期の経済前提等を示している。シナリオの設定では、JILPTの労働力需給推計が活用された。

2024年度「地域活性化雇用創造プロジェクト」9地域を採択/厚労省

厚生労働省は1日に、2016年度より実施している「地域活性化雇用創造プロジェクト」の2024年度の採択地域を 公表した。今回採択されたのは、宮城県、秋田県、山形県、埼玉県、石川県、滋賀県、兵庫県、山口県、熊本県の 9地域。このプロジェクトは、地域における良質な雇用の実現を目的として、都道府県が提案した事業について、 第三者委員会の審査を経て事業を採択し、都道府県による当該事業の実施に要する経費について、最大3年間補助するもの。

賃金引き上げに向けた取り組み事例を公開/厚労省

厚生労働省では、賃金引き上げに向けた取り組み促進を目的として、「賃金引き上げ特設ページ」を開設している。 「賃金引き上げに向けた企業の取り組み事例」では、取り組み内容とそのポイントや従業員の声などを掲載。 また、「地域・業種・職種ごとの平均的な賃金検索機能」、「賃金引き上げに向けた政府の支援策」等も掲載 しており、「労働生産性の向上等による賃金引き上げの取り組みなど調査等情報」では、JILPTの調査(取材) 事例も取り上げられている。

特定技能制度の対象として自動車運送業など4分野を追加/政府

政府は3月29日の閣議において、人材を確保することが困難な産業で外国人労働者を受け入れることができる 特定技能制度の産業分野として、既存の12分野に自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を追加し16分野 とすることを決定した。現行分野のうち、「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」は、業務区分を 追加したうえで「工業製品製造業分野」に名称を変更する。

年金の財政検証に向け、試算項目案など提示/厚労省年金部会

厚生労働省は16日、社会保障審議会年金部会を開催し、2024年財政検証について議論した。 公的年金の財政検証に向け、一定の制度改正を仮定した「オプション試算」を実施するとしており、試算の 項目に、被用者保険の適用範囲を更に拡大した場合、基礎年金の保険料拠出期間を現行の40年(20~60歳)から 45年(20~65歳)に延長した場合、一定以上の賃金を得ている65歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に 当該年金の一部(または全部)の支給を停止する仕組み(在職老齢年金制度)の見直しを行った場合、 厚生年金の標準報酬月額の上限(現行65万円)の見直しを行った場合、などを提示している。 財政検証は、長期的な年金財政の健全性を定期的に検証するため、5年ごとに、国民年金及び厚生年金の 財政の現況及び見通しとして実施。前回は2019年。

2024年度の雇用関係助成金等パンフレットを公表/厚労省

厚生労働省は、2024年度「雇用・労働分野の助成金のご案内」(簡略版)を公表した。4月1日時点の内容。 雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上などに関する「雇用関係助成金」と、 生産性向上等による賃金、労働時間の改善や安全衛生の確保・向上の取り組み等や退職金制度確立支援に 関する「労働条件等関係助成金」に分けて紹介している。

2024年度「全国安全週間」を7月に実施/厚労省

厚生労働省は7月1日から1週間、2024年度「全国安全週間」を実施する。労働災害防止のため、 産業界の自主的活動推進や、職場での安全維持活動の定着等を目的に毎年実施。2024年度のスローガンは、 「危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全」に決定。7月1日(月) から7日(日)までを「全国安全週間」、6月1日(土)から30日(日)までを準備期間として、さまざまな取り組みを実施する。

倉庫事業者・貨物利用運送事業者向け相談窓口を設置/国交省

国土交通省は15日、新たに「倉庫事業者・貨物利用運送事業者向け相談窓口」を設置すると公表した。 窓口へのメールで価格転嫁や価格交渉等に関する相談を受け付けるもの。「我が国の物流の革新に関する 関係閣僚会議」で政策パッケージをとりまとめ、2024年4月以降、我が国の物流に支障が生じないための 環境整備の取り組みや、内閣官房及び公正取引委員会による「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に 関する指針」をふまえて設置するもの。

最低賃金、同一労働同一賃金等、都道府県労働局の行政運営方針を公表/厚労省

厚生労働省は、2024年度の「地方労働行政運営方針」を策定し、公表している。 人手不足の克服、継続的な賃上げ、多様な働き方の実現などの政府方針のもとで、雇用環境・均等、労働基準等の 都道府県労働局の各行政分野が一体となって推進する課題を掲げている。「最低賃金・賃金の引上げに向けた支援、 非正規雇用労働者の処遇改善等」では、同一労働同一賃金の遵守のため、監督署の定期監督と雇均部室による 事業主からの報告徴収や是正指導との連携をあげている。「リ・スキリング、労働移動の円滑化等の推進」では 職務給の導入・配偶者手当の見直し促進、成長分野等への労働移動の円滑化など、「多様な人材の活躍と魅力 ある職場づくり」ではフリーランスの就業環境の整備、仕事と育児・介護の両立支援など、課題ごとの運営方針を示している。

官民連携によるコンテンツ産業活性化戦略について議論/新しい資本主義実現会議

政府は17日、「新しい資本主義実現会議」を開催し、官民連携によるコンテンツ産業活性化戦略について議論した。 首相は議論を踏まえ、「制作現場の労働環境や賃金といった面で、クリエイターが安心して持続的に働ける環境が 未整備。クリエイター個人の創造性が最大限発揮される環境を整備する必要がある」と述べ、契約適正化のため、 優越的地位の濫用防止と、独占禁止法抵触のおそれがあることを示す指針の作成を図り、官民で制作サイドに 収益を還元するビジネスモデルを構築する、とした。また、「海外展開促進のため、ビジネス展開の支援強化や、 留学支援、国内での学びの場の整備などを実施する」などと述べた。

経済団体等に、大学等卒業予定者の就職・採用活動について要請/政府

政府(内閣官房、文科省、厚労省、経産省)は「2025年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請事項」 を取りまとめ、16日、経済団体等(1,314団体)に要請した。日程・開始ルールは従来と同様で、広報活動3月・ 採用選考活動6月・正式内定10月とし、学事日程等に十分配慮する。専門活用型インターンシップ(2週間以上) で春休み以降に実施されるものを通じ高い専門的知識・能力を有すると判断された学生については、6月以前から 採用選考に入れることとする。また、学生の職業選択の自由確保のため、オワハラ防止の徹底等を要請。

今後の労働基準関係法制、論点と議論の方向性を提示/労働基準関係法制研究会

厚労省は23日、労働基準関係法制研究会を開催し、資料として「これまでの議論の整理」を提示した。 今後、より具体的に各論点を掘り下げていくためのもの。1「労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」、 2「労働基準法の「事業」について」、3「労働基準法の「労働者」について」、 4「労使コミュニケーション について」として、各論点の考え方と議論の方向性に関する意見を整理している。同研究会は、「新しい時代の 働き方に関する研究会」報告書(2023年10月20日)と働き方改革推進法の施行状況を踏まえた労働基準関係法制 の法的論点の整理等を目的として、本年1月から検討を重ねている。

グローバルサウスとの関係強化/経済財政諮問会議

政府は19日、経済財政諮問会議を開催し、グローバル対応とエネルギー及び地域活力の創生について議論した。 首相は、「人口減少下においても持続的な経済成長を実現するためには、生産性の向上が不可欠。 そのためには、海外の活力を取り込んでいくこと、そして、エネルギー安全保障が確保され、脱炭素につながり、 国内で稼ぐ力を強くするエネルギー構造に転換していくことが欠かせない」とし、「グローバルサウスとの 関係強化を進めるとともに、サプライチェーン全体のデジタル化も視野に入れた貿易DX、海外の高度若手人材 の受入れ等の取組を強化していく」と述べ、「本年の骨太の方針では、少子高齢化・人口減少を克服し、国民が 豊かさと幸せを実感できる経済社会を構築するための方策を盛り込む」として関係閣僚に施策の具体化を指示 した。また、民間議員から「グローバル戦略」等について提言が出された(資料)。

賃金引上げに関する支援情報を更新/厚労省

厚生労働省は、最低賃金の引上げにより影響を受ける中小企業に対する支援事業を実施しており、その内容 についてHPで紹介している。企業が最低賃金の引上げに向けて活用できる「賃金引上げに関する支援情報」を 2024年4月時点のものに更新した。

「労使関係セミナー」、ハラスメント問題の基調講演動画を公開中/中労委

中央労働委員会では、判例や労働法制に関する情報を広く発信し、労使紛争の未然防止と早期解決を図ると ともに、紛争解決をサポートする労働委員会への理解促進のため「労使関係セミナー」を開催している (受講無料)。現在、中労委HPでセミナーの動画「ハラスメントと時効の問題について」(2023年度)を 公開中。また、2024年度のセミナー開催予定は決定次第、中労委HPに掲載される。

女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチームの会合開催/政府

政府は24日、「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」の第1回会合を開催した。首相は、 「女性活躍・男女共同参画は我が国の経済社会の持続的発展に不可欠」で、政府として女性活躍に向け課題に 取り組んでいるが、「産業ごとの状況にばらつきが見られる。まずは、大企業を中心に、各産業の特性や事情など、 関係省庁が産業横断的に検証し、産業ごとの推進方策を実行する必要がある」とし、本プロジェクトチームで 「各省庁連携し、構造的な賃上げを含め、職場環境の変革を強力に推し進めてほしい」と述べた。

景気判断「足踏みもみられるが、緩やかに回復」で据え置き/4月・月例経済報告

政府は23日、4月の「月例経済報告」を公表した。基調判断は、「景気は、このところ足踏みもみられるが、 緩やかに回復している」を維持。先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、 海外景気の下振れリスク、物価上昇、中東情勢等について、十分注意する必要があるとの前月の判断を踏襲。 政策態度では「政府と日本銀行は、引き続き緊密に連携し、経済・物価動向に応じて機動的な政策運営」により、 「デフレ脱却につなげ、新たな成長型経済への移行に向け、政策手段を総動員」するとした。個別判断では、 業況判断は「改善している」は据え置きで、製造業の一部に自動車メーカーの生産・出荷停止による影響が みられる、を追加。雇用情勢「改善の動きがみられる」、個人消費「持ち直しに足踏みがみられる」、 消費者物価「緩やかに上昇している」はいずれも判断を維持。

24年度のベア実施予定、中堅・中小企業の伸び幅が上昇/財務省管内経済情勢報告

財務省は22日、2024年4月の「全国財務局管内経済情勢報告概要」及び特別調査を公表した。 特別調査「地域企業における賃上げ等の動向について」によると、2024年度にベースアップを行う企業は 70.7%(前年度64.4%)、規模別では大企業は81.1%(同77.9%)、中堅・中小企業等は63.1%(同54.3%)。 中堅・中小等の伸び幅が大きく、賃金引上げの流れが中堅・中小等にも広がっている、としている。 また、「ベアと定期昇給を合わせた賃金」の引上げ率を「5%以上」とした企業は36.5%(大企業53.8%、 中堅・中小等24.4%)で、前年度に比べ増加している。 「全国財務局管内経済情勢報告概要」総括判断は、「一部に弱さがみられるものの、緩やかに回復しつつある」 で前回(1月)から「据え置き」。雇用情勢の総括判断は、前回の「緩やかに改善しつつある」に「企業の 人手不足感は強まっている」を追記した。地域別では、3地域(北海道、中国、沖縄)で「上方修正」、他の8地域で「据え置き」。

教師の処遇改善に向け、「教職調整額」10%以上が必要/文科省部会

文部科学省中教審の特別部会は19日、「「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備 に関する総合的な方策について(審議のまとめ)(素案)」を公表した。教師の勤務時間の内外を問わずに、 時間外手当と休日給ではなく、給与月額に一定率を乗じた「教職調整額」を支給している仕組みについては、 職務と勤務態様の特殊性を踏まえれば現在も合理性があるとしつつも、教師の処遇改善を図るため、 「教職調整額」の率を現行の4%から、少なくとも10%以上とすることが必要、としている。

「社会保険適用拡大特設サイト」をリニューアル/厚労省

厚生労働省は24日、「社会保険適用拡大特設サイト」のリニューアルについて発表した。 今回追加した新たなコンテンツは、人事・労務管理者向けの手引きや従業員向けのチラシ、解説動画など、 社会保険適用拡大のメリットを事業主や従業員が実感できるような内容。

フォーラム「結婚決定要因を探る-少子化・女性活躍の経済学研究」/内閣府ESRI

内閣府経済社会総合研究所は5月24日(金)、ESRI-政策フォーラム「結婚決定要因を探る-少子化・女性活躍の 経済学研究」をZoomウェビナーで開催する。出生率の低い主な要因として未婚化が挙げられるが、同フォーラム では、結婚を意思決定する要因や所得・雇用の不確実性が及ぼす影響などの分析結果を紹介し、政策形成に 結びつく更なる研究の方向性について議論する。応募フォームから申し込む。締切5月23日(木)10時まで、先着順。

業況判断DI、大企業は製造業2ポイント低下、非製造業は2ポイント上昇/日銀3月短観

日本銀行は1日、3月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果を公表した。業況判断DI(「良い」-「悪い」) は、大企業製造業でプラス11(前回12月調査比2ポイント低下)、非製造業でプラス34(同2ポイント上昇)。 全産業・規模計でプラス12(同1ポイント低下)。雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)は、全産業・規模計で マイナス36。不足超過は、大企業(マイナス27)より中堅(同37)や中小(同38)で、製造業(同マイナス22) より非製造業(同マイナス45)で大きい。

2月の鉱工業生産、「一進一退ながら弱含み」で基調判断は据え置き/鉱工業指数速報

経済産業省は3月29日、2月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。 生産指数(季調値)は97.9(前月比0.1%低下)で2カ月連続の低下。業種別で低下したのは「自動車工業」 「生産用機械工業」「輸送機械工業(自動車工業を除く)」等。上昇は化学工業(無機・有機化学工業、 医薬品を除く)、パルプ・紙・紙加工品工業、窯業・土石製品工業等。 出荷は96.2で前月比0.4%低下。在庫は0.6%の上昇で7カ月ぶりの上昇。在庫率は5.5%の低下。 基調判断は、「総じてみれば、生産は一進一退ながら弱含んでいる」として据え置き。

二人以上世帯の消費支出、前年同月比0.5%減/2月家計調査報告

総務省は5日、2月の「家計調査報告」を公表した。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は27万9,868円、 実質で前年同月比0.5%減と12カ月連続の減少。今年はうるう年で2月が1日多く、2月29分の消費支出を除いた 試算では、同2.7%減。前月比(季調値)は1.4%の増加。支出項目別でのマイナス寄与は、光熱・水道 (マイナス2.41%)、交通・通信(同0.16%)、教養・娯楽(同0.14%)など。プラス寄与は、教育(1.30%)、 食料(0.57%)、住居(0.54%)など。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり56万1,495円(前年同月比で実質2.5%減)で17カ月連続の実質減少。

生活保護の保護開始世帯数、前年同月比3.5%増/1月被保護者調査

厚生労働省は3日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2024年1月分概数)結果を公表した。 保護の申請件数は2万154件で、前年同月比59件(0.3%)増。保護開始世帯数は1万6,496世帯で、 同559世帯(3.5%)増。被保護世帯は165万2,163世帯で、同7,094世帯(0.4%)増。被保護実人員は 202万804人で、同3,618人(0.2%)減。

2月の実質賃金、前年同月比1.3%減で23カ月連続のマイナス/毎勤統計速報

厚生労働省は8日、2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表した。 現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.8%増の28万2,265円、うち一般労働者が同2.0%増の36万616円、 パートタイム労働者が同3.1%増の10万5,268円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った 実質賃金は、前年同月比1.3%減で、23カ月連続の減少。 併せて公表された、2023年11月~24年1月に年末賞与を支給した事業所の1人当たり平均額は、前年比0.7%増の39万5,647円。

街角景況感、前月差1.5ポイント低下/3月景気ウォッチャー調査

内閣府は8日、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた2024年3月の「景気ウォッチャー調査」 結果を公表した。3カ月前と比較した景気の現状判断DI(季調値)は、前月差1.5ポイント低下の49.8で、 2カ月ぶりの低下。雇用関連のDIは同0.3ポイントの上昇。家計動向関連、企業動向関連のDIは低下。先行き 判断DI(同)は、前月差1.8ポイント低下の51.2。今回の結果について、「景気は、緩やかな回復基調が続いて いるものの、一服感がみられる。また、令和6年能登半島地震の影響もみられる。先行きについては、価格上昇の 影響等を懸念しつつも、緩やかな回復が続くとみている」としている。

消費者マインドの基調判断、「改善している」で据え置き/3月消費動向調査

内閣府は9日、2024年3月の「消費動向調査」結果を公表した。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季調値)」は 39.5(前月比0.5ポイント上昇)。同指数を構成する意識指標で上昇したのは、「耐久消費財の買い時判断」 34.0(同0.8ポイント上昇)、「収入の増え方」41.5、「雇用環境」45.0(ともに同0.7ポイント上昇)。 「暮らし向き」は37.5で前月と同値。消費者マインドの基調判断は、「改善している」で前月から据え置き。

1月の実質賃金、前年同月比1.1%減少/毎勤統計確報

厚生労働省は8日、1月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。 現金給与総額は、就業形態計で28万7,563円(前年同月比1.5%増)、うち一般労働者が36万9,382円(同2.1%増)、 パートタイム労働者が10万4,504円(同2.6%増)。実質賃金は同1.1%減(速報では0.6%減)で22カ月連続の減少。 なお、今回公表した1月分調査確報では、毎年行う調査対象事業所の入替えや季節調整値の改訂を行い、 これに加え、ベンチマーク更新を実施した。

2月の景気動向指数、基調判断は「下方への局面変化を示している」に修正/内閣府

内閣府は5日、2024年2月の「景気動向指数(速報)」を公表した。景気の現状を示す「一致指数」は110.9で、 前月と比較して1.2ポイント低下し、2カ月連続の低下。マイナスに寄与したのは「輸出数量指数」「耐久消費財 出荷指数」「投資財出荷指数 (輸送機械を除く)」「有効求人倍率(学卒を除く)」など。プラス寄与は「商業販売額 (小売業)」「商業販売額(卸売業)」。一致指数の基調判断は「下方への局面変化を示している」に下方修正。

景気判断、8地域で「持ち直し」「緩やかに回復」「着実に回復」/日銀地域経済報告

日本銀行は4日、4月の「地域経済報告―さくらレポート―」を公表した。北陸を除く8地域では、 景気は、一部に弱めの動きもみられるが、「緩やかに回復」「持ち直し」、「緩やかに持ち直し」とし、 北陸では、地震の影響による下押しが一部にあるものの、「持ち直しの動きがみられている」としている。 総括判断は前回(1月)と比較し、変化なしは北海道と四国の2地域、他の7地域は引き下げ。 雇用・所得情勢は、北陸を除く8地域では「改善している」「緩やかに改善している」、北陸は「雇用は 一時的な調整が生じ、所得は足もと持ち直しつつある」と判断。

3月の企業物価指数、前年比0.8%上昇/日銀

日本銀行は10日、企業物価指数(2024年3月速報)を公表した。国内企業物価指数は120.7で、前年比0.8%、 前月比0.2%の上昇。製品別の前年同月比での上昇は、「窯業・土石製品」(9.8%)、「非鉄金属」(5.7%)、 「石油・石炭製品」「その他工業製品」(いずれも5.3%)など。低下は「電力・都市ガス・水道」(マイナス19.1%)、 「鉱産物」(マイナス8.5%)、「木材・木製品」(マイナス6.9%)など。輸入物価指数(ドルなどの契約通貨ベース)は 前年比6.9%、前月比0.5%のいずれも低下。円ベースでは順に同1.4%の上昇、同0.4%の低下。

2月の生産指数、前月比0.6%低下/鉱工業指数確報

経済産業省は12日、2月の「鉱工業指数(生産・出荷・在庫、生産能力・稼働率)」確報値を公表した。 生産指数(季節調整済)は97.4(前月比0.6%低下)で、2カ月連続の低下。業種別で低下したのは「自動車工業」 「化学工業(無機・有機化学工業、医薬品を除く)」「生産用機械工業」等。上昇は「食料品・たばこ工業」 「パルプ・紙・紙加工品工業」「窯業・土石製品工業等」。出荷は0.7%の低下。在庫は0.6%上昇で、上昇は 7カ月ぶり。在庫率は5.6%の低下。確報は速報に比べ、生産、出荷、在庫率は下方修正、在庫は変わらず。 生産の下方修正は、医薬品、チューハイ・カクテル等による。

2月の基調判断、「足元は弱含んでいる」で据え置き/機械受注統計

内閣府は15日、機械受注統計調査報告(2024年2月実績)を公表した。機械受注総額は、前月比2.1%増の 2兆8,034億円(季調値)。民間設備投資の先行指標である「民需(船舶・電力を除く)」は、同7.7%増の 8,868億円。うち製造業は同9.4%増・3,963億円で、非製造業(船舶・電力を除く)は同9.1%増・5,059億円。 基調判断は前回と同じ「足元は弱含んでいる」で据え置き。

2023年10月の総人口、前年同月比59.5万人減で13年連続の減少/総務省

総務省は12日、2023年10月1日現在の人口推計を公表した。総人口は1億2,435万2,000人、 前年同月比59万5,000人(0.48%)の減少で、13年連続の減少。自然増減(出生児数-死亡者数)は 83万7,000人(0.69%)の減少で、17年連続の減少となり、減少幅は拡大。社会増減(入国者数-出国者数) は2年連続の増加で、日本人は3年ぶりの、外国人は2年連続の、増加。年齢別に見ると、15~64歳人口は 7,395万2,000人で、前年比25万6,000人の減少、総人口に占める割合は59.5%で、過去最低だった前年に比べ0.1ポイント上昇。

我が国における企業の研究費の動向/総務省

総務省統計局は12日、「2023年科学技術研究調査」結果から、科学技術週間(4月15日~21日)にちなみ、我が国に おける企業の研究費の動向について発表した。2022年度の研究費の総額は、20.7兆円で過去最高。2007年度以降 の研究費を研究主体別にみると、企業が約7割で、2022年度は73.1%。産業別では製造業の研究費が最も多く 8割以上。製造業の中では自動車・同附属品製造業が最多、次いで医薬品製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業など。

2030年代前半に、平均世帯人員は初めて2人を割り込む/社人研

社会保障・人口問題研究所は12日、「日本の世帯数の将来推計(全国推計)2024年推計」を公表した。 世帯総数は、2020年の5,570万世帯から2030年の5,773万世帯でピークとなり、その後、減少に転じ、 2050年には5,261万世帯となる。「世帯の単独化」が進み、平均世帯人員は、20年の2.21人から、33年に初めて 2人を割り込み1.99人に、50年には1.92人になる。「単独」世帯の数・割合は、20年の2,115万世帯・38.0%から 50年には2,330万世帯・44.3%(6.3ポイント上昇)に増加。2020~50年の間に、高齢単独世帯に占める未婚者の 割合は、男性は33.7%から59.7%、女性は11.9%から30.2%となり、近親者のいない高齢単独世帯が急増する。 推計は5年ごとに実施しており、今回は2020年の国勢調査を基に、2020~50年の30年間について将来推計したもの。

3月の消費者物価指数、2.6%上昇/総務省

総務省は19日、2024年3月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は106.8で前年同月比 2.6%の上昇。前月比(季調値)は0.1%の上昇。前年同月比で上昇が大きかったものは、「生鮮果物」12.1%、 「教養娯楽サービス」9.4%、「菓子類」8.8%などの順。品目では「たまねぎ」38.7%、「りんご」32.8%、 「果実ジュース」28.0%、「宿泊料」27.7%などの上昇が目立つ。「都市ガス代」マイナス10.1%、「電気代」同1.0% などは下落したが、下落幅は縮小。生鮮食品及びエネルギーを除いた総合指数は106.2、前年同月比は2.9%の上昇。 あわせて、2023年度平均の消費者物価指数も公表された。生鮮食品を除く総合指数は105.9で前年比2.8%の上昇。 生鮮食品及びエネルギーを除いた総合指数は105.3で、前年度比3.9%の上昇。前年度比で上昇が大きかった ものは「乳卵類」15.2%、「家事用消耗品」11.7%、「菓子類」10.4%など。下落は「電気代」マイナス15.5%、「ガス代」同7.6%。

労災の死亡者数18.4%減、休業4日以上死傷者数1.0%減/厚労省

厚生労働省は18日、2024年の労働災害発生状況(4月速報値)を公表した。死亡災害は、死亡者数が124人で 前年同期比18.4%減少。業種別では、陸上貨物運送事業は37.0%減、第三次産業13.3%減、建設業12.2%減など。 休業4日以上の死傷者数は、2万1,655人で前年同期比1.0%減。業種別では、第三次産業0.8%減、建設業2.2%減、 陸上貨物運送事業0.3%増。公表数値は、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いたもの。

94.4%が、1年前と比べ「物価上昇を実感」/日銀・生活意識アンケート調査

日本銀行は12日、生活意識に関するアンケート調査(第97回・2024年3月)の結果を発表した。 物価に対する実感(1年前対比)は、「かなり上がった」が62.0%、「少し上がった」が32.4%で、94.4%が 物価上昇を実感している。現在の景況感DI(1年前対比で「良くなった」-「悪くなった」)はマイナス36.1で 前回調査(23年12月)より13.5ポイント改善。暮らし向きDI(「ゆとりが出てきた」-「なくなってきた」)は マイナス44.2で前回調査より7.9ポイント改善。雇用環境DI(1年後をみた勤め先での雇用・処遇の不安を 「あまり感じない」-「かなり感じる」)はマイナス1.6で前回比3.1ポイント改善。雇用環境については、 「不安」を「かなり感じる」が減少した。

2月の実質賃金、前年同月比1.8%減少/毎勤統計確報

厚生労働省は23日、2月の「毎月勤労統計調査」結果(確報・事業所規模5人以上)を公表した。 現金給与総額は、就業形態計で28万1,087円(前年同月比1.4%増)、うち一般労働者が35万9,777円(同1.8%増)、 パートタイム労働者が10万5,156円(同3.0%増)。実質賃金は同1.8%減(速報では1.3%減)で23カ月連続の減少。

24年4月の総人口、前年同月比55万人減/総務省人口推計

総務省は22日、人口推計の2024年4月概算値及び11月の確定値を公表した。24年4月1日現在の総人口(概算値) は1億2,400万人(前年同月比55万人・0.44%減)。11月1日現在の総人口(確定値)は1億2,434万2千人 (同57万1千人・0.46%減)。年齢階層別(確定値)では「15歳未満」2.30%減、「15~64歳」0.32%減、 「65歳以上」0.01%増。うち「75歳以上」人口は3.61%増加した(年齢階層別増減率は前年同月比)。

基調判断「下方への局面変化を示している」に下方修正/2月景気動向指数の改訂状況

内閣府は25日、2024年2月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。 景気の現状を示す「一致指数」は、前月差0.7ポイント低下の111.6(速報値は110.9)。 基調判断は、「景気動向指数(CI一致指数)は、下方への局面変化を示している」に前月から下方修正。

中小企業景況、指標改善も人件費の上昇が多くの業種で収益力の足かせ/全国中央会

全国中小企業団体中央会は3月25日、「2月の中小企業月次景況調査(令和6年2月末現在)」を公表した。 大半の指標が前月比で上昇し、主要3指標では、景況0.8ポイント上昇、売上高1.6ポイント増、収益状況は 横ばい。主要3指標以外では、設備操業度の3.4ポイント上昇が最高。インバウンド需要の増加等により 非製造業の景況感は改善、製造業では、大手自動車メーカーの生産停止や中国の景気減速等の影響により、 景況感の改善には至っていないとしている。また、人手不足・人材確保に伴う人件費上昇が、依然として 多くの業種で収益力の足かせとなっているとみている。

人手不足時代の中堅・中小企業政策について提言/経済同友会

経済同友会は5日、政府に対する提言「人手不足時代の中堅・中小企業政策~生産性向上に向けた合従連衡と 労働移動の促進~」を発表した。わが国経済が持続的な成長を遂げるためには中堅・中小企業の生産性の向上が 不可欠であり、企業の新陳代謝を促進する政策へ転換し、競争力のある企業に資本や労働力を効率的に移していく ことが必要と指摘。「成長にコミットする企業への経済的支援への転換」、「官民共同出資の『中堅・中小企業 事業承継機構(仮称)』の設立」、「リスキリング支援強化」、「労働紛争解決システムの強化」など6つの提言を行った。

所定内賃金引き上げを実施した企業は72.5%/日商LOBO調査

日本商工会議所は3月29日、「商工会議所LOBO(早期景気観測)」3月調査結果を発表した。 トピックスの「2023年度の賃金(正社員)の動向」によると、23年度に所定内賃金の引き上げを実施した企業は 72.5%で、前年同月(61.5%)に比べ11.0ポイント増。うち、「業績改善したため賃上げ実施(前向きな賃上げ)」 企業は36.5%で同3.8ポイント増。「業績改善がみられないが賃上げ実施(防衛的賃上げ)」は63.5%で、 3.8ポイント減ながら依然として6割超。賃金引き上げの主な理由(複数回答)は、「人材確保・定着や モチベーション向上」85.5%、「物価上昇」45.4%、「最低賃金の引き上げ」35.0%で、「一定の価格転嫁が 行えた」は12.9%。 業況DI(全産業合計)はマイナス12.9で、前月と同値。景気回復の兆しが見える一方、物価の高止まりや、 円安等によるコスト増が継続し、人手不足や、コスト増を価格転嫁できていないことで、中小企業の業況は 足踏みとなった、としている。

仕事と育児の両立支援の事例集、5社を追加して掲載/経団連

経団連は3月29日、ホームページに「仕事と育児との両立支援 事例集—男性の家事・育児の促進に向けて—」を NTTなど5社を追加して掲載した。企業における男性の育休取得促進や柔軟な働き方の拡充、人事評価の工夫や周囲の 社員への支援などの取組みについて、業種・規模の異なる15社の事例を紹介している。

提言「高齢社員のさらなる活躍推進に向けて」を発表/経団連

経団連は16日、提言「高齢社員のさらなる活躍推進に向けて」を発表した。企業における高齢社員の活躍は、 深刻化している労働力問題への対応の鍵であり、高齢社員のエンゲージメント向上を通じパフォーマンスを 高めることは、イノベーション創出や、企業の生産性の改善・向上にもつながるが、高齢社員の職務・役割と 賃金水準の乖離などの課題もあるとし、高齢者雇用の現状と課題、課題解決への対応と、企業の事例(12社)を掲載。 政府に対しては、現行の取り組みの強化・充実や、制度・支援策の周知を求めている。今後の高齢者雇用制度に ついて、現在は「雇用継続制度」が大勢だが、「定年年齢の引上げ」や「定年廃止」も視野に入れ、人事・賃金 制度の見直しを検討する企業が増加の見込みとし、高齢社員にとどまらず、自社に最適な「自社型雇用システム」 確立の一環として検討していくことが望ましい、としている。

中小組合の賃上げは平均4.75%、全体では5.20%と高水準/連合第4回回答集計

連合は18日、2024春季生活闘争 第4回回答集計結果を公表した。 平均賃金方式で回答を引き出した3,283組合の加重平均は5.20%・1万5,787円(昨年同時期比1.51ポイント・4,765円増) で、第3回回答集計の5.24%増とほぼ同水準を維持した。このうち、組合員300人未満の中小組合2,123組合の加重平均は 4.75%・1万2,170円(同1.36ポイント・3,714円増)。全体も中小組合も、比較可能な2013年以降で最も高い水準で、 「賃上げの流れ」は引き継がれている、としている。

最低賃金行政等に関し、厚生労働省へ要請/連合

連合は16日、厚生労働省に対し、最低賃金行政等に関する要請を行った。日本の最低賃金が諸外国に比べ低い ことや物価上昇を挙げ、中期的に大幅な水準引き上げをめざすこと、地域間拡散の縮小をはかることを求めた。 また、最低賃金の早期発効への配慮、労務費上昇分の適切な価格転嫁に向けた対応、最低賃金の履行確保のための 体制や改定額を踏まえた公契約の見直しや、家内労働・最低工賃について、最低賃金との均衡を考慮した協議や 策定サイクル(現行3年ごと)の見直し検討を要請した。

2024年に賃上げ「実施予定」は86.8%/経済同友会

経済同友会は11日、経営トップ等を対象に実施した2024年3月の「景気定点観測アンケート調査」結果を 発表した。景気の現状について、前回調査(12月)と比べ、「拡大している」が2.1%から4.3%に、 「緩やかに拡大している」が66.2%から67.6%へ増加したことなどから、景気判断指数は32.4から35.7へ やや上昇した。雇用判断指数はマイナス45.6(前回43.0)で、2期連続で不足超が拡大。2024年に賃上げを 「実施予定」は86.8%、「実施予定なし」は4.9%。賃上げ率(年収ベース、見込)は「4~5%」(23.0%)が 最多で「5~6%未満」(19.7%)、「3~4%未満」(17.8%)と続くが、「8%以上」も5.9%に達した。

「産学連携による高度専門人材育成と、未来志向の採用」報告書を発表/産学協議会

経団連と大学関係者で構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は23日、2023年度報告書 「産学連携による高度専門人材育成と、未来志向の採用を目指して」を発表した。国際競争力強化の観点から、 「博士(前期・後期)課程の人材の活躍と大学院教育の充実」についての課題や取組みの方向性、求められる 方策に関する「産学連携推進分科会」での議論、「採用・インターンシップ分科会」における「2030年に向けた 採用のあり方」についての議論(途中経過、24年度以降も継続)を紹介している。

「取引の適正化」実現に向け、中小企業庁へ要請/連合

連合は22日、中小企業庁に対して「取引の適正化」実現に向けた要請を行った。要請内容は、「労務費の 転嫁のための価格交渉に関する指針」の周知徹底と順守状況の調査、価格転嫁に関する踏み込んだ実態調査と 取引慣行の改善等。連合は「フリーランスも含めたすべての働く者・生活者の雇用と生活を守るためにも、 サプライチェーン全体の維持・確保に向けた事業者への支援の拡充など、より一層の取り組みを求める」としている。

入社1年目社員の勤務先企業への満足度は75.3%/民間調査

ディスコ(4月1日より、キャリタス)は3月21日、入社1年目社員対象とした「キャリア満足度調査」結果を 発表した。勤務先企業への現在の満足度は平均75.3%で、入社決定時の81.8%から6.5ポイント減少し、例年と 同様の傾向。入社後の成長実感について、「思っていた以上に成長」26.4%、「思っていた通りに成長」37.4% で6割以上が成長を実感。「思っていたほど成長できていない」は34.1%。転職意向の有無については、「転職 活動中」3.7%、「転職活動はしていないが検討中」39.3%、「転職は考えていない」57.0%。転職検討の理由は 「収入を上げるため」が最多の36.5%、次いで「自分の能力・適性に合わない」30.3%など。

子どもを産み育てたいと思える理想的な労働時間は1日「5時間以上~7時間未満」/民間調査

働き方改革コンサルティング事業のワーク・ライフバランスは3月22日、2024年1月に実施した「第5回働き方 改革に関するアンケート」調査結果を発表した。「子どもを産み育てたい(さらに持ちたい、を含む)」と思える 理想的な労働時間(理想の労働時間別の、追加でほしい子供の人数)は1日「5時間以上~7時間未満」で、 5時間未満、または7時間以上の場合、追加でほしいと考える人はより少なくなった。 「管理職になりたいと 思えるようになるために必要と考えるもの」について、30代以下・女性の1位は「労働時間が1日6時間程度」で、 すべての性別・年代での1位は「適切な評価がある」(女性:53.6%、男性:57.4%)だった。

2024年に賃上げ予定の企業は73.9%、持続的な賃上げ実現の見込み/民間調査

マイナビは3月28日、民間企業等の中途採用に関わる人事担当者に雇用施策や今後の意向をたずねた「企業の 雇用施策に関するレポート2024年版」を発表した。2023年に現従業員の賃上げ(賃金のベースアップ)を行った 企業は78.2%。24年の賃上げ予定は、「上げる」が73.9%で持続的な賃上げ実現が見込める結果となった。 リスキリングを含む従業員教育費は年平均344.5万円。金額別では1~49万円が最多の45.5%。中途採用担当者が 人事業務でAIを利用した割合は、「人材の管理」が最多の31.9%、次いで「人材の評価」29.4%。中途採用 担当者が想定する、直近1年間に採用した中途社員の在籍期間は平均4年で企業側でも転職の一般化が認識され、 中途採用者の再転職も見越した採用活動を行っている様子がうかがえる、としている。

賃上げ額の単純平均は9,593円で、高水準の回答引き出しが継続/金属労協(JCM)の3月末時点での回答状況

自動車総連、電機連合、JAM、基幹労連、全電線の5つの産別労組でつくる金属労協(JCM、金子晃浩議長)は 2日、記者会見を開き、3月29日現在の賃上げの回答状況を発表した。獲得したベアや賃金改善などの賃上げ額の 単純平均は9,593円で、2014年以降での最高額となっている。産別ごとの報告では、自動車総連が1日現在で 賃金カーブ維持分と賃金改善分を合わせた引き上げ額が1万2,211円となっており、1976年以降での最高を 記録している。(JILPT調査部)

中小組合の賃上げは平均4.69%、全体では5.24%と高水準/連合第3回回答集計

連合は4日、2024春季生活闘争 第3回回答集計結果を公表した。 平均賃金方式で回答を引き出した2,620組合の加重平均は5.24%・1万6,037円(昨年同時期比1.54ポイント・4,923円増) で、第2回回答集計の5.25%増と同水準を維持した。このうち、組合員300人未満の中小組合1,600組合の加重平均は 4.69%・1万2,097円(同1.27ポイント・3,543円増)。全体も中小組合も、比較可能な2013年以降で最も高い水準となっている。

2023年度の全国企業倒産、9,053件/民間調査

東京商工リサーチは8日、2023年度の全国企業倒産(負債総額1,000万円以上)は9,053件(前年同月比31.5%増) と発表した。件数は、2年連続で前年度を上回り、2014年度(9,543件)以来、9年ぶりの9,000件台。産業別では、 10産業全てで前年度を上回った。最多は「サービス業他」の3,028件(前年度比34.8%増)で、2年連続で前年度を 上回り、2009年度以来、14年ぶりの3,000件台。以下、「建設業」1,777件(同39.4%増)、「卸売業」1,048件 (同27.0%増)、「製造業」1,006件(同25.4%増)が続く。燃料価格の高止まりや、人手不足、2024年問題を 抱える「運輸業」は441件(同25.6%増)と3年連続で前年度を上回り、9年ぶりに400件となった。

「ドイツ専門職業訓練 自動車整備士養成プログラム」を日本でスタート/ドイツ商工会議所

在日ドイツ商工会議所は4月から、「ドイツ専門職業訓練 自動車整備士養成プログラム」を開始した。 「ドイツ専門職業訓練(デュアルシステム/Dual Vocational Training System)」の導入は、日本では 初めて。中長期にわたる整備士不足を背景に、次世代の自動車整備士の雇用・教育のためのプラットフォーム 構築を目指すもの。BMWなどのパートナー企業、教育パートナーとともに検討を進め、ドイツのカリキュラムを 日本の状況に合わせてプログラムを構成した。同会議所では、「市場環境や産業界のニーズを考慮しながら、 今後は他の職種にもドイツ専門職業訓練を広げていきたい」としている。

全国労働保険事務組合連合会と共同宣言/産業雇用安定センター

産業雇用安定センターは8日、(一社)全国労働保険事務組合連合会と「持続的な企業の発展と失業なき 労働移動の実現に向けた相互協力に関する共同宣言」を3月29日に行ったと発表した。相互に情報提供を行うなど 協力体制を構築することにより、それぞれが取り組む「失業なき労働移動」と「労働保険未手続事業場に対する 適用促進」の推進に資する、としている。

大学生の企業選択のポイント、6年連続で「安定している会社」/民間調査

マイナビは16日、「2025年卒大学生就職意識調査」を発表した。25年卒の大学生・大学院生に企業志向について 聞いたところ、大手企業志向は前年比4.8ポイント増加の53.7%で2年ぶりに半数を超え、中堅・中小企業志向は 同4.2ポイント減の42.9%。物価高や賃上げが影響、としている。企業選択のポイント(2項目まで選択)は、 「安定している会社」が同1.1ポイント増の49.9%で、6年連続の最多。「給料の良い会社」も3年連続で増加し、 同2.2ポイント増の23.6%。行きたくない会社(2項目まで選択)は、「ノルマのきつそうな会社」が38.9% (同0.7ポイント増)で最多、次いで「転勤の多い会社」30.3%(同0.7ポイント増)。

企業の77.0%が賃上げ実施も、規模間で「格差拡大」懸念/民間調査

帝国データバンクは18日、緊急調査「2024年度賃上げ実績と初任給の実態アンケート」結果を発表した。 2024年4月の正社員給与の前年同月からの変化(見込み含む)を尋ねたところ、「賃上げする/した」企業は 77.0%。内訳は、「3%増加」とした企業が22.0%で最多、「5%増加」15.0%、「2%増加」12.4%が続いた。 一方、「据え置き」は16.6%、「賃下げ」は0.6%。連合の目標である「賃上げ率5%以上」を実現した企業割合は 26.5%。規模別に「賃上げする/した」企業割合をみると、大企業は77.7%、中小企業は77.0%とほぼ同水準 ながら、小規模企業は65.2%。「原料費などの高騰を完全に価格転嫁できていない」、「固定費が上がっており 賃上げどころではない」など、賃上げに対して厳しい声があることも紹介している。

24年度の見通し、上向き傾向だが勢いはやや鈍化/民間調査

帝国データバンクは23日、「2024年度の業績見通しに関する企業の意識調査」結果を発表した。 24年度の業績見通し(売上高および経常利益)について尋ねたところ、「増収増益」と回答した企業は26.3%で、 2年ぶりの増となった前年(26.4%)とほぼ同水準。「減収減益」は21.0%、前年比0.7ポイント増で、増加は 4年ぶり。業績の上振れ材料(複数回答)は「個人消費の回復」(37.3%)が2年連続トップで、次いで 「所得の増加」(24.1%)。下振れ材料は「人手不足の深刻化」(39.4%)が5年ぶりのトップ。 「増益」企業割合は「減益」割合を3年ぶりに上回ったが、「増益」「減益」はいずれも3割台で拮抗しており、 利益面で二極化傾向がみられ、業績見通しは上向き傾向だが、その勢いは前年よりもやや鈍化、としている。

企業の約7割が正社員不足/民間調査

東京商工リサーチは17日、全国の企業対象の「人手不足」に関するアンケート調査結果を発表した。 企業全体では69.3%が「正社員不足」と回答し、大企業では77.6%に達した。産業別では建設業の84.4%が 最上位で、次いで運輸業の77.9%。業種別では「道路旅客運送業」が100%で最上位、次いで「宿泊業」の 92.8%。非正規社員については、企業全体では「不足」は38.7%で、6割近くが「充足」としている。業種別で 不足の割合が高いのは、「宿泊業」が100%で最上位、次いで「道路旅客運送業」90.0%、「飲食店」88.0%となっている。

「最低賃金に関する要望」を提出/日商ほか

日商・東商、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会は連名で18日、「最低賃金に関する要望」を公表し、 厚労省に提出した。地方最低賃金審議における法定三要素(生計費、賃金、企業の支払い能力)のデータに 基づく審議決定、最賃引上げが中小企業・小規模事業者の経営や地域の雇用に与える影響の注視、価格転嫁の 推進等自発的・持続的に賃上げできる環境整備、人手不足につながる「年収の壁」問題の解消などの6項目を要望した。

「消滅可能性」744自治体、少子化基調は変わらず/人口戦略会議レポート

有識者で構成する人口戦略会議が24日、「人口戦略シンポジウム」を開催し、「令和6年・地方自治体 『持続可能性』分析レポート」を発表した。同レポートは、若年女性人口の減少率が2020年から 2050年までの間に50%以上となる自治体(消滅可能性自治体)が744自治体だと指摘。前回(2014年)の 分析結果(896自治体)より減少しているものの、外国人の入国超過数が大きく増加していることなどから、 実態として少子化基調は全く変わっていないことに留意すべきとしている。会議事務局の北海道総合研究調査会 ウェブサイトで会議資料を公表している。

奨学金返還支援制度の導入/大東建託

大東建託は3月28日、「奨学金返還支援制度」の導入を発表した。2020年度以降の新卒採用入社者(管理職を除く) で奨学金を返還する社員に対し、年間10万円を代理返還・支給する。期間は最大5年(総額50万円)で、2024年 4月1日より導入する。本制度導入により、人材の確保と定着を推進する。若手社員に対して、返済支援により 自己投資の機会を増やすとともに、経済的・心理的負担を軽減し職務に集中できる環境を構築することで、 今後のキャリア形成につなげてほしい、としている。

空港人材対策本部を設置/成田空港

成田空港株式会社は3月27日、空港人材を支えるための諸施策に取り組むため、社長を本部長として空港人材 対策本部を設置したと発表した。雇用促進対策、空港内の職場・休憩環境等の就労環境改善、イノベーション推進 による空港業務の自動化・省力化等の諸施策について全社を挙げて主体的かつ迅速に取り組むため、としている。 また、航空運送事業においては、全日空と日本航空が、2024年4月から、地方空港のグランドハンドリング事業者の 効率的な人員体制を整える取り組みの一環として、両社の委託先が同一グランドハンドリング事業者のランプハンドリング 作業(飛行機の地上移動や、貨物・手荷物を搭降載・搬送する業務等)で必要な、一部の各社ごとの作業資格について、 相互承認する仕組みを検討し、運用開始の予定としている。これにより、どちらかの訓練をして資格取得すれば、 両社の作業に従事できるようになる。23年6月公表の国土交通省「空港業務の持続的発展に向けたビジョン」を踏まえたもの。

8.2%の賃金改善と180万円の賞与支給/九電工

九電工は3月25日、労使交渉の妥結により、組合員一人平均で「8.2%の賃金改善」及び「180万円の賞与支給」 などを実施すると発表した。賃金改善は組合要求を上回り、過去最高の賃金改善率で、賞与は創立記念祝い金を 含む。また、採用での競争力強化、人財確保のため、初任給を2024年4月と25年4月に全学歴各2万円を引き上げる。 大卒で24年4月は24万円、25年4月は26万円。あわせて、奨学金返還支援制度も新設する。1カ月当たり1.5万円を 上限とし、期間は最長10年間。

確定拠出年金を拡充/ダイワコーポレーション

物流サービス業のダイワコーポレーションは1日、4月から確定拠出年金(DC)を拡充し、会社が上乗せ掛金を 負担して全社員が加入する仕組みに変更すると発表した。これまでは、希望する社員は基本給に含まれる生涯設計 手当から確定拠出掛金にできたが、新制度は全社員対象に会社が基本掛金5,000円を負担するため、自己負担額を 減らすことができる(掛金上限額27,500円は変更なし)。全社員が、退職後のライフプランは自ら考えるという 自律意識を持ち、老後の生活設計の一助としてほしい、としている。

定年年齢を65歳に引き上げ/三井E&S

船舶、港湾等のエンジニアリング事業を行う三井E&Sは9日、定年年齢(現在は60歳)を65歳へ引き上げる、 定年延長の実施を発表した。開始日は4月1日で、対象者は2024年9月末定年退職予定者から。引き上げにあわせて、 現行のシニアエキスパート制度を廃止して、60歳以上の従業員の役割を「長年の知識・経験を生かした若年層の育成、 組織ミッション推進・補佐・指導」と再定義。役職任期制/役職定年制を導入し、世代交代と組織の継続性の両立も 図る。同社は、2023年4月から導入した新人事制度で、年功的処遇の排除、ローテーションの制度化を進めており、 今回の諸施策により、「組織の世代交代・人材の流動化をさらに進め、厳しい環境下でもアグレッシブに挑戦する 人材が活躍できる組織の実現を目指す」としている。

新たな人事制度を導入/トヨクモ

ビジネス向けクラウドサービス開発のトヨクモは16日、新たな人事制度を導入すると発表した。今年度より 人的資本経営の一環として人事制度を全面的に改定し、成果を正当に評価し合える社内体制で、社員が パフォーマンスを発揮できる環境を整備する。5段階のグレード制度を導入し、グレードごとに報酬レンジを 設定する。半期ごとに「成長目標」と「達成目標」を各自で設定し、最終的な結果を相対評価する。(1)評価 基準の明確化により、社員の成長を促進する、(2)グローバル基準の報酬体系を採用し、グローバル進出に 必要な人材の確保を図る、としている。

職位変更を選択可能とする「ポストチェンジ制度」を導入/京王電鉄

京王電鉄は16日、育児・介護・不妊治療中の管理職を対象に、最大3年間にわたって職位変更を選択可能とする 「ポストチェンジ制度」を新たに導入すると発表した。同日より開始し、移行期間の終了後は原則移行前の 職位に復帰する。育児・介護などのライフイベントに直面した管理職が、一時的に職位を変更することで業務負荷を 軽減し、ワーク・ライフ・バランスの比重を可変的にすることで、柔軟なキャリア形成を実現可能とする、としている。 あわせて、同社がこれまで導入したキャリア支援策(社外派遣、社内公募など)の実績も紹介している。

ベースアップと定期昇給で平均6%の給与水準引き上げ/ファーストキッチン

ファーストキッチンは、2024年4月分給与から基本給を一律1万2,000円引き上げると発表した。定期昇給と合わせて、 平均6%の給与水準引き上げとなる。対象は全正社員及び全エリア正社員の約200人。人材確保と、物価上昇する 環境下での社員の生活水準維持のため、としている。

新たに4つの人事制度を導入/シナネンホールディングス

シナネンホールディングスは16日、4月から新たに、社内ベンチャー制度(審査会での承認を得て、最長3年間、 提案した新規事業を推進)、ベビーシッター割引券配布制度(小学校3年までの子を持つ従業員対象)、 ウェルネス休暇(従業員とその家族の健康のため、年間12日間の特別休暇)、短時間勤務制度の拡充(対象範囲を 拡充)の、4つの人事制度を導入したと発表した。同社は、働き方改革の施策として、2023年4月に副業制度、 70歳までの再雇用制度、育児休業中の学習支援、自己都合退職者再雇用制度(アルムナイ制度)、治療と仕事の 両立支援を導入している。

5月1日に全店一斉休業/サガミ

レストランチェーン事業のサガミ・ホールディングスは5日、従業員の働く環境改善に向けた取り組みの一環 として今年度5月1日、8月16日ほかをグループ全店(一部、商業施設内店舗を除く)で一斉休業すると発表 した。基本給の引上げや、4日間以上の連続休暇(リフレッシュ休暇)を年に3回取得可能とする制度の拡充 などの、従業員のモチベーション向上や労働環境改善の一環としている。

社員の育児両立支援、「日・祝」を休めるシフト勤務可能へ/野村不動産ソリューションズ

不動産仲介業の野村不動産ソリューションズは16日、社員自身が「休日」「勤務エリア」「個人営業目標」を ライフスタイルに合せて選択する両立支援制度を4月より導入すると発表した。火・水定休が一般的な個人向け 売買仲介部門で「日・祝定休」となるシフトでの勤務が可能になる。同社は、営業としてのキャリアを途切れ させることなく、仕事と育児の両立不安を排除することで、男性の育児・家事等への参加を促し、共働き・ 共育てが当たり前にできる組織風土を醸成する、としている。

正社員平均6%の賃上げと育児短時間勤務制度の拡充/藤田観光

藤田観光は12日、2024年春季労使交渉で労組と妥結し正社員(組合員)約1,200名に対し、ベースアップを 含め平均6.0%の賃上げを実施すると発表した。また、働きやすい職場環境の整備などの要求に対し、 育児短時間勤務制度の対象となる子の範囲を、小学校4年に達するまでから、中学校就学に達するまでに拡充し、 外国籍社員が同社での就労継続のため在留資格を更新した場合に手続き費用の一部補助を行う。従業員の モチベーション向上と、安定的な人材の確保を図るため、としている。

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